先程、将棋世界10月号を買った(発売されてから随分と日が経っているが)。
P136の「さばきのエッセンス」を見たところ、先日行われたA級順位戦3回戦の羽生−渡辺戦と同一局面が掲載されていた(A図)。
(A図)
(A図)以降の展開が気になったが、今月号にはその解説がなかった。
久保二冠王の文章をでは、「A図を紹介するつもりだったが、この形はこのところしきりに新型が現れており、急いで結論を出すのは難しい」と書かれてあった。
この文章および羽生−渡辺戦で先日行われたことを考えると、A図こそゴキゲン中飛車 対 超速3七銀の最新型の一つなのだと思う。
なお、羽生−渡辺戦では、A図以下、3三角成、同銀、5六歩、同飛、3五歩、同歩、2四歩、同歩、2三角、5一飛、5五歩、4二金、5六角成と進んだ(B図)。
(B図)
(B図)は私の目では、馬を作った居飛車側が不満がないように見える。
しかし、(B図)からの羽生三冠王の指し回しが素晴らしかった。
(B図)以下、3六歩、4五馬、2五角、5八金右、4四歩、5六馬、3四銀、1六歩、3三桂、1七桂、4五歩、2五桂、同歩と進んだ(C図)。
(C図)
(C図)まで進んでみると、角桂交換の駒損ながら銀取りと3七歩成が残っており、後手が指しやすくなっているようだ。
2五角以降の一連の手順があまりにも素晴らしく、この将棋はしばらくは私の脳裏からは消えないであろう。
「さばきのエッセンス」では(A図)以下の展開をいつかは解説されるようなので、その時の久保二冠王の見解が楽しみである。

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