懐かしの二本松駅構内。
18の夏、私は友人のサトミ嬢と東北本線下りに乗車していた。
(当時郡山の短大に通っており念願の「電車通学」をしていた)
いつもの電車にいつもの友。帰路とあっておしゃべりに花を咲かせていた。
と、にわかに晴天かき曇り突然の雨。
ガラガラガッシャーン!と凄い音がしてどこかに雷も落ちたようだ。
電車は二本松駅に停まりいつもなら2〜3分で発車するはずが動かない。
「?」と思っていると車内アナウンスが流れた。
「ただいま雷の影響で運行を見合わせております。少々お待ち下さい」
なんだかな〜と思いつつも「おしゃべりの時間が長くなるからいいや」くらいにのんびりと構えていた。
学生はお金はないけど時間だけはあるのだ。
エヘラエヘラとしゃべっていると突然下腹部に違和感。
グーギュルギュル・・・。
も、もしやしてこの感覚は・・・。
「まさかね」
打ち消そうと思っても痛みは強くなるばかり。
なんと空と同じように私のオナカも風雲急を告げはじめてしまっている!
もちろん電車内にトイレはある。
しかし停まっている状態で使用するとどうなるか。
私は以前、福島駅手前の信号待ちの際、向かいに座ったおばさんが我慢しきれずトイレに入りその音の「丸聞こえ」さに当事者でないのに赤面した覚えがある。
それほど鮮明に聞こえてしまうのだ。
18乙女がそれを知っていて入れますか?
入れませんて!
電車はいつ発車するか判らない。
お腹はもう「限界だよう」と悲鳴をあげている。
お昼に購買部で買った卵のサンドイッチが悪かったのか?
いつも「出なくて」困るくらいなのによりによって何故こんな時?
思いはちぢに乱れる。
小声でサトミ嬢に相談する。
「私トイレ行きたくなっちゃった・・・改札のトイレに行って帰ってくるまで発車しないと思う?」
「う〜ん」
そうだよねサトミちゃん、聞かれてもなんとも答えようないよね、でも聞いてみたかったんだよ。
一番線ホームだったらまだ良かったのにここは二番線、階段渡って行かなきゃなのよ。
額に脂汗、もう限界。
エ〜イままよと走り出す。
サトミちゃん、私が間に合わなくても気にしないで行ってねっ。
かつてこれほど真剣にダッシュしたことがあっただろうか。
改札脇のトイレに入りこれまた一秒を争う勢いで済ませホームへ出た途端、けたたましくなる発車のベル!
「ヒエエエーッ」と叫びながらまた来た道をダッシュ。
ギリギリセーフ、何とか間に合った。
周りの人たちの目が笑っている。
でもいいもん、音聞かれるよりはねー。それに間に合ったもんね。
ヘヘ〜ンだ!

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