島根県出雲市で
しまね地域医療支援センターのトップセミナーがあり
講演をしてきました。
まずは速水市長から雲南市の取り組みについてのお話がありました。
今では有名になった
「おっちラボ」も「幸雲南塾」から生まれたのですね。
平井愛山先生からは、
「地域で医師を育てるために何が必要か」
と言うお話がありました。
若手の医師の研修にとって大切なポイント3つ、
・研修プログラムの工夫
・指導医の身分保障を含めた指導に当たりやすい体制づくり
・研修医自身がフレキシブルに研修する場を選ぶことができるような、研修医の身分保障
の視点からお話をしてくださいました。
特に、小鹿野市で行われている研修は、
医療と福祉に携わる職員が一緒に、研修医のためのプログラムを作り
研修医が医療と福祉の連携についてしっかり学べるものを提供しているとのことでした。
地域のネットワークが、そのまま研修のための資源になる、というお話は
とてもワクワクするお話でした。
私の方からは、
東金病院と地域医療を育てる会で共同開催していた後期研修医のためのコミュニケーションスキル研修について
「住民でなければできない医師の育成」と題して、お話をしました。
患者さんとのコミュニケーションに、最初から自信のある医師は少ないと思います。
そんな若いドクターに
「コミュニケーションスキルを上げるための研修を」と薦めるのは、
指導医の立場であっても難しい、といった質問(意見)が出ました。
この研修を思いついた当初、研修のアイディアをネットに挙げたら
掲示板に
「患者が医師を教えるなんてとんでもない」
と言うお叱りのメッセージが書きこまれたことがありました。
(書きぶりからして、たぶんドクターだったのだろうと思います)
コミュニケーションスキル
患者に採点してもらう
この二つのハードルはなかなか高いのかもしれませんね。
ちょっと話が変わりますが、
太古・中古の出雲大社の本殿は、地上から高さ96メートル、もしくは48メートルと言われるところにあったのだそうです。
こちらは、その当時の様子を復元した模型。
この本殿を支える柱が、出雲大社の敷地から発掘されたそうで、
樹齢120年を超える杉の柱を3本セットで1本の柱にして
それを9つ立てた上に本殿が立っている構造。
この柱のことを、
宇豆柱 と言うのだそうです。
直径は約3メートルで、この写真の地面の部分に、実物大の円が描かれています。
建築機械などない時代に、これだけ大きなものをどうやって垂直に立てることができたのでしょう。
尊いものに対するあこがれ、大きなものを作りたいという思い。
圧倒されるような気がしました。
詳しくは、
島根県立古代出雲歴史博物館のページをどうぞ。
話は戻りますが
コミュニケーションスキル研修も、
指導をするドクターが、若いドクターを大切に思うなら
きっとその気持ちは若いドクターと、応援をしたい住民に伝わるのだと思います。
「コミュニケーションスキルを向上させることは、最終的にはその医師自身を守るものになる」
と城西国際大学の伊関先生がおっしゃっていたことがありました。
高い高い階段を上るその先には、どんな景色が広がっていたのでしょうね。
住民が一緒に若い医師を育てる病院では、どんな景色が見えるでしょう。
高い階段も、地域での医師育成も、まずは始めの一歩から、ですね。

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