神戸で開催されたJDDW(日本消化器関連学会週間)の中の
医療研修会でお話をしてきました。
「週間」とあるのは、この4日間で、消化器に関連する6つの学会が合同で学術集会を開いているためです。参加者は延べで1万人を超えるとか。
テーマは、地域医療と医師の配置について
でした。
患者(医療を受ける立場)として、必要なのは総合医なのか領域別専門医なのか
というお題をいただいていたのですが、
それぞれの病気やいろいろな事情により、
総合医、専門医どちらを選ぶかは異なってきます。
その二者択一よりは
アクセスとネットワークの問題が大きいのではないか、とお話しました。
簡単に言うと、その患者さんにとって最適な医療者と出会うために
医療者同士のネットワークを構築するべき、ということと
フリーアクセスを保証したうえでの体制なので
専門医と総合医の連携、分担について、分かりやすい情報発信が必要であり、
同時に医療を受ける側も、医療の不確実性を理解しなくてはならない
そのようなことをお話しました。
パネリストの方々の中で、医師の養成数に触れた方が
異口同音に、「医学部の定員を、そろそろもとに戻すべき」
とおっしゃっていたのには驚きました。
また、「医師の配置については、どこがディシジョンメーカーになるべきか」
といった議論がありましたが
上から決めるだけではなくて、研修を受ける若手のドクターの声を聞き、
研修に最適なプログラムや環境の在り方について考えたい、と思います。
そして、最後に一言、と言われたので
会場にいる方々にお願いしました。
地域の住民に、地域医療のことを話し、住民と一緒に良い医療を作っていってほしい
と。
お医者さんは、病気の根本原因を突き止め、最も合理的な方法で治療をするという思考になれているせいか、
医療の問題は制度を変えて解決すべき
そのためには中央を動かすべき
と考える方が大変多いです。
しかし、中央の机上で決められることには限りがあり
それが地方の実態に即した物でない場合も多いので
回り道のように見えるけれど、地元で情報を発信し、話し合うことが最も効果的ではないかと思います。
この後、大阪伊丹空港から新潟に飛ぶために、あいさつもそこそこに会場を後にしましたが
今回の発言が、少しでも地域医療を動かすきっかけになればいいなあと思いました。

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