育てる会が発足してからたびたび取り上げてきた救急医療。
特に救急車の安易な使用については、繰り返し書いてきました。
その甲斐あってか、
平成17年をピークにしていた救急搬送件数が次第に下がってきていました。
ところが!
平成21年度から22年度にかけて、いきなり増加。
しばらくクローバーで取り上げていなかったしなあ
と反省して、広域行政組合へ。
救急搬送のデータをいただいてきました。
紙媒体でらったものを、まずはエクセルに手で入力。
そのあと、いろいろな視点からグラフをつくりました。
数として一番多いのが、「急病」という分類にはいる患者さん。
こちらは、「軽症・中等症・重症・死亡」の4段階に分けられた重症度のうち
「中等症」の患者さんが占める割合が一番多かったです。
以前の、「軽症者ばっかり」という状況とは違っていました。
対して、「軽症者」の占める割合が多かったのが交通事故。
事故に詳しい会員の話によると
交通事故が起きた後の、保険会社との絡みや、
「見た目軽症でも重症だった場合」を心配して
事故が起きれば、即救急車を呼ぶ
という風になっているからなのだそうです。
で、さらに分析を進めていったのですが
患者さんの年齢は記録がないのだそうです。
これだけ高齢化が叫ばれている中、
高齢者の救急車の使い方と、それ以外の年齢層の人たちの使い方を比べることも
とても大切だと思うのですが
山武の行政は
データを取ってない。
で、クローバー編集担当とあれこれ話し合ったのですが
いきなり搬送件数が増えたことイコール安易な救急車利用が増えた、
と結論付けることはできませんでした。
取材はしたものの、ネタが没になるのは、今回が初めてです。
私も義父の件で経験があるのですが
結果的には入院が必要ない症状だったとしても
具合が悪くなった高齢者(大の大人ですから結構重たい。認知症があるとなおさら大変)を
自家用車に乗せたくても、人手がない。
タクシーや、ほかの人の車で、途中で粗相をしてしまったら大変。
本人の客観的なデータ(脈拍・血圧など)が取れないので、どの病院で受けてもらえるのかわからない
となってくると、救急車に頼らざるを得なくなります。
(ちなみに義父の場合は、いつも利用しているデイサービスのスタッフに頼んで、車いす対応の自動車で送迎をしてもらいました。
私はそのあとから自家用車でついて行って、病院で本人を引き受ける形。
結果、入院となったので、帰りの足は不要となりましたが)
そろそろ、そうした背景をきちんと把握し、対応策をとる時代になっているのではないでしょうか。
山武地域は高齢化のスピードが比較的ゆっくりな地域です。
それでも、今からそうした「年齢層別のデータ」を取っておいてほしいと思いました。

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