2018/6/4  23:59

62年ぶりの修復完成物語  こんな押絵(押し絵)がありますよ

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今から62年前、初代絹甫が86歳の時、森山家の先代様からご依頼を受けた「御台所行列部分」の押絵。経年の劣化や震災による傷みを修復するというご縁を頂きました。現在のご当主、森山先生が、たまたま私をフェイスブックで見つけ出して下さったおかげです。
この完成に至るまでの過程を、まとめてみました。

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これが62年前の「八十六歳 絹甫」の作品です。

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地震で落ちた割には、ガラスが入ってなかったのが幸いしたかもしれません。

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表は勿論、裏も指が当たればブスブスと。

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布が完全に消失し、中の綿だけの状態に。
このお小姓は、し直さなければなりません。

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傘もビリビリ状態。元は真っ赤な傘でした。

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「八十六歳 絹甫」の書き入れ。この部分は活かさなければなりません。

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不思議に顔は、ほとんどそのままの状態を留めています。

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額をお願いする表具師さんに、書き入れと押絵の部分を剥がしてもらいます。

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押絵を外すと、以前は銀箔に貼ってあったことがわかります。
こうして裏を見ていると、当時の仕事場の様子や、6歳の頃の自分の姿までが浮かび上がってくる気がします。

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当時はパーツの組み上げに、新聞を使っていたようです。
「ザール協定」や「田中千代」などの文字が・・・

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恐る恐る部分を分解し、触らない方が良い部分はそのまま残します。

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経年の風合いは残しながらも、少しはやはり新しくなった感じも出したいし・・・
で、3階にある古代裂の中から紅色の古代更紗を見つけ出しました。
当時使っていた200年近い物ばかりです。

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お小姓が生まれ変わりました。

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赤い傘の布は、当時使ったであろう布で作り替え、骨と鶴を描き足しましたが、
何しろ古い布なので、ちょっと力を入れるだけでビリッ!
気を付けて気を付けての作業でした。

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貼り替えが不可能な穴の開いている部分は、繊維を1本づつ縦横に糊で埋めました。

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これが元の版画です。

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歌川豊国さんの原画で、多分三代目さんくらいでしょうか?
六代目の豊国さんとは、お世話になっていた大阪大丸の美術画廊で、たまたま展覧会がお隣どうしだったご縁で、お親しくさせていただいておりました。

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新しい額ができてきました!
バックの紙は、手漉き和紙の墨色。縁の木は、中タメ塗の艶あり。
どちらもご夫妻が、時間をかけてお選びいただいたものです。
縁には、織悦さんの龍や蝶の柄が入った帯地を回してもらいました。

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いよいよ台紙に貼りつける瞬間。
ここで汗がポタリ…なんてことの無いように、この姿。

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最後の傘を貼りつける時、ふっと頭をよぎったのが、北斎の娘、お栄さん。
自分の作品もすべて、北斎の名前で世に出していたのですが、分からない形で「お栄」と書きこんでいた話・・・
私も、今年で終わる平成と松甫を書きこみました。「お栄」ならぬ「お松」

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完成した額を仕事場の玄関に。
「こんなに甦らせてくれて、おばあちゃんもきっと喜んでくれてるわ!
このまま置いときたいくらい・・・」と絹甫も感動してくれました。

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お届けした森山家でも、箱からお出しした途端、
「ようなったね〜!」と先生。
「うわ〜〜、鳥肌立つわ!!」と奥さまも、とても感激してくださり、
これまでに経験したことの無い達成感に、心から感謝いたしました。

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お床にピッタリと納まり、記念撮影。

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私も記念に撮っていただきました
有り難いご縁に感謝し、お納めして帰る時、何ともいえない喪失感に襲われ、
思わず奥さまに「あの子を末永くよろしくお願いいたします」と・・・
奥さまは「我が家の宝として、ずっと大切にお預かりいたします」
これからもまた、ず〜っと大事にして頂ける幸せな子です。
本当にありがとうございました。



2018/6/6  8:27

投稿者:小西松甫

榎木さん、
ありがとうございます!!楽しくてワクワクする反面、もしもどこかの工程でミスをしたら…と思うと、血圧上りまくりの作業でした(^0^)
でも、完成した途端、ほんとのい素晴らしい経験を頂けたことに感謝感謝でした!そして、ご夫妻の感動に接し、頑張って良かった〜と、まら新たな喜びが・・・
どこかできっと、ごらんいただけるよういしたいと思います。

2018/6/5  12:08

投稿者:榎木ひろゑ

松甫先生、マァ〜〜〜何と良い御台所行列の作品でしょう!!
古代裂が先生のお家に沢山有ればの事ですが・・・それにしても縦横の
繊維の一本一本繋ぎ併せて行く作業、大変だった事でしょうね!!
出来上がりの作品に是非!!お目にかかりたかったです。
その時が訪れる事を願っております。

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