今週末に赤い奴がやってきます。(通常の三倍かどうかはまだ分かりません。)
99年4月から乗ってきたプジョー106ともお別れです。
プジョー106の前には、ミニに乗っていました。
その冬の12月の寒いある晩、実家に帰省しようとした折に急な降雪で轍ができ、地上高の低いミニは亀の子状態。なすすべもなく反対車線に滑っていきました。
そんなことがあり、ミニを手放すことにしたのです。
そしてすぐに国産S社の4WD車を購入することにしました。
その4WD車は自分のライフスタイルを考えると選択しなければならない条件をすべてクリアしていました。しかし高価な買い物をするというのに、あまり嬉しくありませんでした。
そのとき乗っていたミニも機関絶好調でしたから、手放すのは非常に辛かったです。しかしMTBのJシリーズの転戦のため遠乗りしたり、スキーに行ったりする私の行動に、ミニは力不足でした。
そんなとき出合ったのが106。
正直、私のライフスタイルの条件をすべて満足するクルマではありませんでした。とくに4WDでないというのは冬季の使用を考えるととても不安が残りました。
それでも、とても気に入っていました。しまいには夜のランニングの際に遠回りして、夜な夜なショーウインドー越しに眺めてくる始末。欲しいものっていうのは、こういうものなんだろうなぁ、と思いました。
そしてきっと今諦めたら一生、「106にあのとき乗っていればなぁ」と、ずっと思いつづけるのだろうな、と思いました。しかし悩み続けました。
そんな折、
「若いうちだけだぞ、乗りたい車に乗れるのも。」
友人がそんなことを言って背中を押してくれました。
そのとき肩の荷が降りたようにモヤモヤが晴れ、喜んで契約したのを覚えています。
106はミニの代わりとしては余りあるクルマでした。
軽い重量、十分な出力、後部座席を倒すとかなり広い荷室ができ、MTBを積むのに苦労はありませんでした。
購入してすぐに田沢湖とモヤヒルズへMTB遠征。
モヤヒルズはおそらく一番遠いドライブだったと思います。
FF車なので、雪道のドライブもそれほど心配はありませんでした。
ちょうどその頃からXCスキーを始めましたね。思えばこの車が無ければXCスキーを始めることはできなかったと思います。
冬の奥日光にも行きました。裏磐梯にはさんざん行きました。
スノーハープの耐久レースとか、岩岳の最後のミーティングにも行きました。岩手大東町のウルトラ100kmXCにも行きました。
トラブルはいろいろとありましたが、車体由来のものはほとんど無かったです。
ラジエターは1枚めはブロー。(アイドリングしながら仮眠をしていてペダルを踏んでいた。←バカ。)
2枚めは凍結路上で15km/hくらいでカーリング状態の自損。
3枚めは凍結防止材その他のせいで腐食のため液漏れ。
ダンパーは8万キロあたりでビルシュタインに交換しました。初期の反応が良く、それでいてしっかりした乗りごこちが良かったです。
マフラーはよく錆びたのでもう3本めです。
内装は吸音材をちょっとだけ貼ってみました。スピーカーはフロントにFOSTEXを入れたりしました。
裏磐梯に行くとよくウインドウォッシャー液が凍ってしまい困ったので、ウォッシャーパイプは金魚用の太いものに交換しました。
ああ、ABSのセンサーだけはよく壊れましたね。7-8個交換していると思います。
そんなこんなで13万キロを一緒に走りました。
今でも不満は何もありません。むしろずっと乗っていたいと思います。
それでも最近あちこち傷みがでてきて修理代がかさむのが気になってきました。家族も増え、もう少し荷物を載せたいと思うようになりました。
何よりも赤い奴の存在が大きかったです。
4年ほど前、国内導入された頃から気になっており、ディーラーに行きました。
試乗してアパートまで乗ってきて、MTBを積んでみたりもしました。
シンプルなスタイルとシートアレンジがとても気に入っていました。
次に乗るならこれしかない。そう思って何年も過ぎました。
その間に友人の友人に勧めたらすぐに購入。その後友人も購入しました。
そして最後にDSGの登場。これが最大の契機だったと思います。
なにしろATのトルコンのもわーという音が大嫌いなので、ATに乗るのはためらいがありました。
赤い奴にはトルコンがありません。
そして次に乗る車はぜひ106よりも燃費が良いこと。これも条件の一つでした。
テクノロジーが進んでいるのに、なぜ燃費の落ちるクルマに乗らなければならないのか。そんなクルマには乗らないぞ、と。
DGS+TSIという組み合わせは、106比で1.6倍も重くなる赤い奴の車重をものともせず、106よりも良い燃費で走ります。
機は熟したということでしょう。
これだけの理由があれば大好きな106ともお別れができるのではないか、そう考えたのです。
今でも大好きな106。週末にさよならできるのかまだ自信がありません。
それでもきっと赤い奴は106の代わりを果たしてくれることでしょう。
願わくば、誰かこの106を乗り継いでくれる人がいますように。