○腕の動きは脚の動きよりも慎重に身につける必要があります。
・脚の動きはバランスが鍛えられれば少しずつ向上しますが、
腕の動きは気を抜くとすぐにダメダメになってしまいがちです。
・なので、ここでは脚の動きよりも先に腕の動きの基本について説明します。(このほうが将来的に近道だと思います。)
・最初はポールなしでイメージを掴んでみて下さい。腕の振りだけならお部屋でも練習できます。
○肘を固める
・直立し、腕をリラックスさせて肩からだらんとします。スーツを試着したときみたいな感じです。
・このとき軽く肘が曲がっていると思います。だいたい肩-肘-手首のなす角度が160度前後でしょうか。
・この角度を基本角度とします。(この状態の腕を
「基本角度の腕」と呼ぶことにします。)
・スケーティングでは肘をこの角度に固定し、腕を一塊と考えてこのまま振ります。
・
基本的には肘をこれ以上曲げたり伸ばしたりする動作はしません。
○肩から振る
・
「基本角度の腕」を肩を中心に前後に振ります。
・みた感じは
「前へ習え」から
「気をつけ」を繰り返すような感じになります。
・
「前へ習え」のときは肩幅かそれよりやや広め、
「気をつけ」の位置では腰骨をこするくらい。
さらに後ろにフォロースルーをするときは
腰幅よりも狭くなるように振ります。(わりとこの反対になりがちです。)
・気を抜くと肘が肩幅よりも外側に張ってしまいます。左右の肘の幅は極力肩幅程度に納めるように気をつけます。(このほうがより腕を長く使えるのです。)
・力が入ると
怒り肩になりますが、これでは疲れますのでリラックスして下さい。
○手首はスナップを利かす
・腕が
「前へ習え」の位置のとき、手首は「サムアップ」のような状態にあります。(親指は普通に握ります。)親指の腹にグッと力を込めてポールを
前方に突き刺します。ポールは上からさすのではなく、進行方向に対し後ろから前へ突き刺します。
・手首をスナップを利かせて返します。このイメージは「濡れぞうきんを叩き付けるような感じ」といわれます。
・
「気をつけ」の位置ではスナップは完了し、ちょうどリレーのバトンを受け取るような感じになります。ポールから手首を放し、掌は後ろ向き、かつ上を向きます。掌は閉じてグーになります。パーでは指先が緊張するので疲れます。「ポールから掌を離さないバージョン」ではそのまま振り切った状態までスナップさせます。
○リズムを作る
・「1、2、1、2.....」とリズムを作ります。"1"で
「前へ習え」の位置に素早く振り出します。前方へ突き出す、という感じでもよいくらいです。
ポールは自分の姿を後ろから見て、2本がほぼ直立平行になるように、
突き刺す幅も肩幅くらいになるようにします。
"2"でスナップを利かし瞬時に腰の位置まで振り切ります。
「腕の基本角度」を維持していれば、手首が腰骨よりちょっと下、ふとももにこするくらいになると思います。
・左右同時に振り切ると、
骨盤がちょっと浮く感じになると思います。(ならない場合はそう思って振ってみて下さい。)
まずはこの腕の振りをしっかり身につけて下さい。