ボールとひとくちに言ってもいろんなボールがありますね。硬いボール、柔らかいボール。
「よく跳ねるボール」とはどんなボールでしょう。
硬いボールと柔らかいボール、どちらがよく跳ねるでしょう。
→硬い方がわりとよく跳ねます。
しかしかちかちだとどうでしょう。
→あまり硬いと跳ねなくなってしまいます。例)鉄球。
ということは、「跳ねるにちょうどいい硬さ」があるってことですね。
では「よく転がるボール」とはどんなボールでしょう。硬さは関係ないのかな?
以下はランニングの運動を、跳ねて転がるボールに例えてみようという実験的考察です。
ランニングを跳ねて転がるボールに例えようと思ったのは、似たところがあるなと思ったからです。そんだけです(笑)。
ボールは力を加えないと跳ねませんね。落下させると跳ねるのも、落下→着地→変形→反発→浮揚という流れで重力を受け、弾力により反発力が生まれるからです。
ランニングは直進する連続動作と考えることもできますが、片足ずつで考えると、断続的な跳躍の繰り返し、または断続的な落下の繰り返しと捉えることができます。ボールが跳ねて進んでいるのと似ています。
よく跳ねるボールの条件とは何でしょうか。それがよく跳ねる脚、という答えにつながるのだと思います。
また、ボールは転がって進むこともできます。ランニングでもできるでしょうか。
体全体が転がらなくても、回転力で進むことはできる。ということを、サイクリストである私たちは日頃よく実感していると思います。自転車です。
自転車は体(と車体)は回転することなく、車輪だけが回転し進んでいきます。ランニングでもそういうことができればいいわけです。それは脚の回転運動ということになるのでしょう。
跳ねるボールと転がるボール。この2つの運動が合わさるともっとよく転がるんじゃないでしょうか。
これは実際によく目にします。トップスピンのかかったボールがとんとんと跳ねて転がっていくときがそれです。跳ねるだけよりも、転がるだけよりも、もっともっと速く転がっていきます。
実はこの「跳ねて転がるボール」というのは、特殊な条件下にあります。
自転車のホイールについて勉強している人はお分かりかと思いますが、転がるものは変形して真円度が落ちると、転がりにくくなります。だから自転車のホイールは真円度を維持するべく、さまざまな工夫がされています。
ところが跳ねることを考えたとき、変形しないとボールは跳ねません。跳ねるにちょうどいい変形量、というのがあるわけです。
この2つを両立しようとすると、適度に変形してよく反発し、転がりはあまりロスしない、という条件が求められます。ランニングの脚にも、こういう条件が求められるのだと思います。
ランニングでの回転力、というのはピッチだけではないでしょう。加速力、とでもいいますか、前進力とでもいいますか、前へ倒れ込むような力だと思います。トップスピンの回転力を自在にコントロールできるということは、加速力を自在にコントロールできるということになるでしょう。
跳ねる力(反発力)というのはそのまま、重心をもとの高さに跳ね戻す力でしょう。回転力が倒れ込む力であるのに対し、反発力は倒れないように踏ん張る力、ということになるでしょう。
これら相反するもののバランスが両立できるような、しなやかな弾力を持った体(とその使い方)が、一番よく跳ねて進む、ということになりそうです。
回転力は踏ん張りの無さ(踏ん張らないほうがよい)、反発力とは腰を持ち上げるもも上げの鋭さ(鋭いほうがよい)、この辺りがポイントかと思いますがどうでしょうか。
そのために必要なSSCはどこからどうやって絞り出すのか。はてさて。