先日、久しぶりに谷根千を散策した。
吸い寄せられるようにたまたま入ったのは、
骨董屋さんというか古道具屋さんというか古本屋さんというか、といった風情の店。
「碍子」と書いてあるのを、何と読むんですか?と聞いたところ、
「がいし」ですよ、店主が気さくに答えてくれたから、
何となく私もウチのことを話してみる気になった。
というのも、碍子のことなど全然知らなかったのだが、
ウチを公開したとき来てくれた人が話題にしたのを覚えていたのだ。
辞書によると、
「架設した電線を支え、絶縁するために使う陶磁器の器具」とある。
一輪挿しにしたりとアイデア次第で色々に使う人がいるのだとか。
それで早速ウチに来てもらった。めぼしい物はもうないが、
それでも今度クルマで色々を引き取りに来てくださるという。
奇跡としかいいようのない絶妙のタイミングで
この家に10ヶ月間暮らしたことは、
何かの計らいとしか思えないような不思議な気持ちにまたなった。
夏にウチを公開したこと、ともすればゴミ同然の物たちを
喜んで引き取ってくださる方とのつなぎ役になれること。
見えなくても、きっと何かの力によるものと信じざるを得ない。
コレがウチの碍子。

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