業界最高年齢社長Halのゲーム日記 その301 ユーモアと母音数編

2011/2/4 | 投稿者: hal

日本人にはユーモアのセンスがない?

とよく言われるそうだ。 しかし江戸時代の歌舞伎の名台詞や滑稽本の類には、掛詞(かけことば)がふんだんに使われているし、江戸末期から昭和初期にかけては地口(一種のダジャレ)が大いにはやった。

これらを見れば日本人にはユーモアのセンスがないなどというのは、完全に的外れであることをよく理解できるだろう。

一例を挙げると

滑稽本では
お泊まりはよい程ヶ谷と留め女 戸塚前ては(とっ捕まえては)放さざりけり
(東海道道中膝栗毛)

歌舞伎名台詞では

普段着慣れし振袖から、髷も島田に由比が浜 
打ち込む波にしっぽりと、女に化けて美人局 (弁天小僧菊之助)

十四の頃から親に放れ、身の生業も白浪の
沖を越えたる夜稼ぎの、盗みはすれど非道はせず
人に情けを掛川の、金谷を掛けて宿々で     (日本駄エ門)

がきの折りから手癖が悪く、抜け参りからぐれ出して
旅を小股に西国を、廻って首尾も吉野山      (忠信利平)

(以上いずれも「白浪五人男」より)


しがねえ恋の情が仇、命の綱の切れたのを、
どう取り留めてか木更津から、めぐる月日も三年越し、
江戸の親には勘当うけ、よんどころなく鎌倉の、
谷七郷は喰詰めても、面へ受けたる看板の
疵がもっけの幸いに、切られ与三と異名を取り、
押借り強請も習おうより、慣れた時代の源氏店   (与三郎)

(ご存知「与話情浮名横櫛(よはなさけうきなのよこぐし) 源氏店(げんじだな なんてよまないでね)の場でありんす。)


地口のたぐいでは

恐れ入谷の鬼子母神(「恐れ入りました」+「入谷の鬼子母神」)
びっくり下谷の広徳寺(「びっくりした」+「下谷の広徳寺」)
嘘を築地の御門跡(「うそをつく」+「築地門跡=築地本願寺」)
その手は桑名の焼き蛤(「その手は喰わない」+「桑名名物の焼き蛤」)

江戸時代の川柳には
殊勝げに見ゆる出家の皮かむり

なんてのもある。

はては寅さんの啖呵売のセリフで

見上げたもんだよ屋根屋の褌
結構毛だらけ猫灰だらけ けつのまわりは糞だらけ(これでさくらちゃんがお見合いに失敗しましたな)
などなどなど。


これらはいずれも掛詞が多い。 これは日本語には母音、特に短母音の数が少ないということが原因ではないだろうか。 日本語の短母音は5つ(方言ではこの限りではない)で、英語の母音(長短母音の区別無し)は9つ(各種の異論あり)、朝鮮語は7つ(9つという説もあり)で、比較的少ない方に入る。 

母音の多いものでは17もある言葉があるそうだ。 尚最小は3つ(アラビア語)とのことである。 当然母音数の多い言葉ほど語彙は増える。 比較的少ない母音数の言語では、必然的に同音異語が増える。 これが日本語のジョークの類に掛詞が多用される原因ではないかと考えるのである。 もっともアラビア語に掛詞が多いかどうかは、弊社の関知するところではないが。
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