S.T.A.L.K.E.R.最高齢プレーヤーHalのゲーム日記 4331 束縛スル里
2021/8/29 | 投稿者: Hal
束縛スル里 その8
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古事記では、逃げるイサナキを追って、イザナミはヨモツ大神となり、黄泉の国の入口で追いついたが、イサナキは巨大な岩をおいてイザナミが出てこられないようにした。
そのイザナミは「チシキノ大神」とも呼ばれるようになった、という叙述がある。
走って逃げている最中、海清は足を滑らせて倒れ、岩角に激しく頭を打ち付けてしまった。
骨まで見える深い傷からは血が噴き出すが、その傷は見る間に治ってゆき、いつもの通りの美貌となった。
八百比丘尼である。
ある時打ち上げられた人魚の肉を食べた、安濃町の草生にいたお里という美しい娘は、齡を取らなくなり、故郷を離れてあちこちで病人を治したり、川に橋をかけたり、貧しい人を助けて田んぼや畑を耕したりして、人につくした。
そして故郷に戻り、800年の生を終えたという。
黄泉の国の女神チシキノは、八百比丘尼を羨み憎み、殺そうと欲した。
こうして信繁、海清、一磋の三人だけとなったが、信繁と一磋は海清を隠し、二人でチシキノと戦う事にした。
しかし、一磋は二人だけになると、信繁を棒で撃ち殺した。
これで信繁は以後は登場しなくなる。
えっ!? 信繁は主人公じゃなかったの?
一磋もあっさり殺され、海清はチシキノによって光りも音もない虚無の空間に閉じ込められるが、そこで海音として主人公?の子供となって再生する。
これにて漆刻軌道編は完了だが、どうにも設定や進行のいい加減さ甘さが目立ち、評価は低くならざるを得ない。
残る倚門之望編は、一旦異変怪道編に入り、「遺体をみていたくなくて」「きくちゃんの遺体に変化」の選択肢35で、「きくちゃんの遺体に変化」を選択した。
ところが寝不足の信繁は、そのまま寝込んでしまい、ネズに起こされる。
すると階下でキリコが騒いでいるので行ってみると、元気なきく香がいた。
このあたりの進行はこれまでとは違い、既に倚門之望編に入っているのだろう。
きく香は昨日は大きな木の下にいたという。
皆はよかったよかったと言うが、信繁が見るきく香は、人とも見えない木彫りの人形で、声だけがきく香の愛らしい声なのである。
信繁は2階に戻り、ふすまを開けて確認すると、きく香の遺体はちゃんとある。
となると、階下にいる「アレ」はなんなのだ?
皆を駐車場に待たせて置いて、信繁はきく香の遺体をバスタオルでくるみ、家の外に出て、やや離れた林の中に置いた。
これで厄介払いしたと一安心していると、木偶人形が語りかけてくる。
人形は熊よけの鈴が欲しいそうで、渡すと静かになった。
今度はペケ蔵の足が動かなくなり、皆でバスの中に担ぎ込んだ。
湿布でも貼ろうとまつ香に聞こうとしたが、そのまつ香も腰に力が入らないそうで、調理場にもたれかかっている。
ペケ蔵の悲鳴で戻ると、彼の足は木偶と同じ状態で、炭化した所にはウジ虫が群がり、ペケ蔵の足を喰らっている。
しかし、一磋たちにはそのウジ虫は見えないようなのだ。???
ネズも腰に力が入らないそうで、座り込んだままだ。
そして信繁自身も右手に力が入らず、ふすまを開けることが出来なくなった。
見ると、右手の手の平は木になっていた。
FMSもどうやらそれらの変移を感じる力があるようで、「ククノチ(木の属性)」とそれを呼んでいた。
穴山が現れ、一磋におぶわれていたまつ香を包丁で刺した。
穴山の娘はこの里で熊に啖われてしんだが、それは熊よけの鈴をまつ香が渡さなかったためだと、穴山は言う。
「ケガレ」は穴山のものだったのだ。
その時土砂崩れがおき、信繁、キリコ、穴山は崖に投げ出されるが、FMSが辛うじて信繁の腕を掴んだ。
信繁は左手にキリコ、右手に穴山を掴んでいるが、選択肢36は、「キリコを助ける」「穴山を助ける」「選べない」である。
選べないでは全員死亡、キリコでは穴山は崖下に落ちてゆき、信繁はキリコと愛をかわそうとするが、右手が声をかけてきた。
「ケガレは不滅です・・・」
信繁は右手を切り落とすが、今度は胸から声をかけられた・・・
穴山を助けるでは、穴山の呪いによるケガレははれ、ネズもペケ蔵も信繁も快癒したが、キリコを自ら棄てた自責の念は、ケガレより強く信繁を痛めつけ、信繁は自壊してゆく。
どの選択肢でも全てBADENDなのである。
これにて束縛スル里の全てのシナリオをクリアし、完了とした。
束縛スル里は、まずまず楽しめるゲームだが、感傷過多で冗長な表現が多いのが大きな欠点であり、その面では渇望スル島より大きく劣化している。
次回からは斬羅鬼の予定
