2年ほど前からライブに来てくださっている
アオノシバフさんから、
7/1のOneマン動画の感想が届きました。
アオノシバフさんはギタリスト奥野氏によると、心で音楽を聴く方だそうです。
大変な長文で、
過分なお言葉を頂き恐縮して、さらに身が引き締まる想いです。
示唆に富んで、
ワタシのやろうとしていることや
志向していること
まだ、内緒!って企てていたことまでも
見抜かれているようで、怖〜い(笑)
慧眼の持ち主です。
ご本人の承諾をいただきましたので、抜粋して掲載します。
全文はこちら↓(mixiアカウントお持ちの方はご覧になれます)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1871458976&owner_id=23771822
「7/1は仕事の関係で、残念なことにこのライブに参加することができなかったのです。
公開された映像はアナログ音源で、音質は決して良くないのですが、個人的には、
「08,アプローズ」
「09,千の夜 千の朝」
「10, 祝島寿歌」に、惹きつけられました。
中でも「10, 祝島寿歌」は絶品で、これは完全なワールドミュージックと化しています。
さらに後述しますが、
HAOWさんのサポートミュージシャンに大きな課題を付きつける結果ともなっており、
この曲は「HAOWさんの音楽の転機を示す記念碑的な作品」の1つとなっています。
≪HAOWさんの芸術志向はアバンギャルドである!≫
HAOWさんのライブには、毎回ビックリすることになるのですが、今回もその期待というか、予感を裏切ることはありませんでしたが・・・。
感覚的に表現すると、
「透明感があふれ、ぶれがない、極めて安定化した、高密度な音楽」と言うことになります。
すでに、ご自身も発言されていますが、
アバンギャルド世界へ突入完了といった趣きがあります。
単なるレべルアップではなく、ラディカルからアバンギャルドへと音楽のあり方とその本質が変化を始めています。
振り子の例で説明すると、次の様なイメージです。
ラディカルとは、振り子の振幅が最大幅の状態で、この状態では、振動エネルギーが収束/情熱が冷めれば、以前の状況/日常へと、逆戻りとなります。
対して、アバンギャルドとは、振り子の最大振幅で、弦(糸)が切れた状況で、振り子は元の状況に復帰することなく、空間を飛び続ける無限運動となります。
HAOWさんの歌唱は、
もともと、歌うという行為が単体の「歌う」ではなく、
曲想/曲の世界感に合わせて、
「歌う、詠う、謡う、唄う」がそのバランスを変えて、
重合・重層する構造を持っています。
この特徴が今回のアバンギャルド化の実現により先鋭化し、
彼女の歌唱の基礎にきちんと組み込まれた様です。
歌唱が「詠う、謡う、唄う」という方向性を鮮明にしたことから、
HAOWさんの歌唱が、聴衆の内面を触発する形で、
歌本来が持つ踊り/舞踊/ダンスと一体性を回復する方向に向っている点も、
要注目ではないかと、思います。
さらにこの12曲とも、各曲を一曲ごとに聴き分けてみると、
各曲の曲想に合わせて、歌唱方法がきちんと個別に選択されているだけでなく、
歌唱の完成度が極めて高いことに、気が付かされます。
これだけの数の曲を歌えば、歌唱の出来にブレ/ムラが出ても不思議ではないのですが、それが、一切、見えません。
この完成度の高さと集中力の持続性は驚異的であり、脱帽です。
プロの歌い手といえども、これだけの力量を持つ方は、極めて数が少ないのが実情なのです。
上述したHAOWさんの多様な歌唱が支える音楽は、音楽の表現でもあり、宗教(神事)の表現でもあり、哲学の表現でもあり、芸術/アートの表現でもあり、世界表現そのものでもある、といった極めて多様性に富んだ複合表現として、成立しています。
オリジナリティと生命エネルギー(プラナ)とスピリッツの表現、さらに、その表現の必然性が、そこに無条件に存在/成立しています。
何度聴き返しても、色あせることのない斬新さと新鮮さ、つまり、生命宇宙の直接表現が、そこにはあるのです。
ちなみに、私は最高の芸術とは、この生命宇宙と哲学の表現に外ならないと考えています。
さらに、私達の風土の音楽の本質は、祝祭空間「幽玄」での『神遊び』であり、西洋音楽と西洋楽器は、そのための単なる手段にすぎないことを、HOAWさんの音楽は、私達に伝えてくれています。
つまり、人は、風土から切り離されて,、生きることはできないということを。
〜中略〜
≪HAOWさんの音楽志向が示す時代の流れというもの≫
このアバンギャルド志向は、HAOWさんのワールドミュージックへの関心とも関連しています。
さらに、私の妄想かもしれませんが、明治維新で日本が導入した西洋音楽が、この国の風土の中で成熟した結果なのではないかとも、考えています。
すでに、西洋音楽のコピーではなく、西洋音楽を完全に理解して表現できる知識と技術を持ちながら、それを乗り越え、自身の風土を表現できる方々が、未完成ながら、インディーズのミュージシャン中に出現しています。
加えて、時代がラディカルを超える高次元の音楽思想と同表現が求めており、
その動きを背景に、
HAOWさんのアバンギャルド志向が生まれているのではないかと、私は見ているのです。
合わせて、
「このHAOWさんの志向は、今後のアートとしての音楽の世界が進むべき王道を示している」との予感を抱きながら、この12曲の歌を聴いているのです。
また、HAOWさんのワールドミュージックの背後には、
風土を背景とした独自の解釈と独自の表現の追求が、伏流として流れており、
その胎動が始まっているのではないかとも。
」

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