処方薬の使い回し、約6割が「ある」
薬局などで誰もが買える「市販薬」とは異なり、医師が患者一人ひとりの体質や症状に応じて処方する「処方薬」を、自己判断で、家族や友人の間で使い回したことがある人が全体の約6割に上ることが、病院検索サイトを運営する「QLife(キューライフ)」(本社=東京都世田谷区)と医療経営コンサルティングサービスなどを行う「ネグジット総研」(神戸市)の調べで分かった。 QLifeでは「同じ症状に見えても、アレルギーを持っていたり体重が違っていたり、処方された本人と体質が異なれば、副作用を引き起こす可能性が十分にある。リスクの啓発に努めていきたい」としている。
調査は今年5月、処方薬の家庭内での保存や個人間での譲渡の実態などを明らかにするため、インターネット上で実施。1年以内に医療機関を受診した20−60歳代の、子どものいる女性1000人から回答を得た。
それによると、現在使用していない余った処方薬が「ある」は84.5%、「ない」は14.7%、「分からない」は0.8%だった。
「ある」と答えた人に理由を聞いたところ(複数回答)、「時々、服用するのを忘れてしまった」が49.7%で最も多く、以下は「意図的に、途中で服用をやめた」32.7%、「多めに処方してもらった」30.3%などの順だった。
また、処方薬を家族や友人・知人間で使い回したことがあるかどうかを聞いたところ、「家族間で」は 49.3%、「友人・知人間で」は3.8%、「家族間と友人・知人間の両方で」は6.6%、「どちらもない」は40.3%だった。
「どちらもない」と答えた人以外に、家族や友人・知人間であげたりもらったりすることが多い処方薬を聞いたところ(同)、「痛み止め、解熱剤」が60.5%で最も多く、次いで「湿布剤」54.4%、「風邪薬」46.7%、「塗り薬」40.0%、「胃薬・整腸剤」37.4%などの順だった。
本人向けに処方されたものではない処方薬を使ったり、使わせたりすることについては、「とても怖い」が23.1%、「やや怖い」が44.0%、「あまり怖くない」 29.8%、「全く怖くない」3.1%だった。
( 2010年06月14日 18:13 キャリアブレイン )
この結果、一般の方がされることとしてある程度想像できるような内容ですが、でも実際に数字をみせられると、ちょっと唖然とします。
医師が作成した処方箋がないと医療用医薬品は手に入りません。
また、一般的に医療用医薬品は、市販薬(OTC)と比べると作用が強いものが多く、そのために医師の指示のもと使用することになっています。
例えば、あまりないかもしれませんが、実は抗がん剤が処方されているのだけれど、その方には「胃薬です」と説明されていて、それを他の人にあげてしまうこともあるかもしれないと考えてしまいます。
同じような病気に罹られていて、他の人がのんでいる薬は気になるという心理は十分に理解できますが、やはり医師が診察してその症状にあった薬を処方しているわけでして、同じような症状でも、まったく違う原因である可能性もあるわけです。
ですから、記事中にもあるように医療用医薬品の他人への転用はリスクが非常に伴うものだと思って下さい。