厚生労働省は2月22日、ノバルティスファーマ社製とグラクソ・スミスクライン社製の輸入新型インフルエンザワクチンの特例承認についてのパブリックコメントの募集結果と、寄せられた意見に対する同省の考え方を公表しています。
厚生労働省:輸入新型インフルエンザワクチンの特例承認に関する意見募集の結果について
パブリックコメントは昨年12月28日から今年1月11日にかけて実施されており、42件の意見がきたそうです。両社のワクチンはその後、1月20日に特例承認されています。
どのようなパブコメがきたか、またその意見に対して厚労省側の見解が書かれています。
意見の概要としては、「国産の新型インフルエンザワクチンの流通状況を考えると、輸入ワクチンについては、不要、又は数量を再検討すべき」との意見が最も多かったということです。
それに対して厚労省はこのような考え方を示しています。
輸入ワクチンが特例承認され、流通が開始されたことは、優先接種対象者以外の方々に対する接種が早期に円滑に接種を開始できた一つの要因であると考えており、その観点からは、輸入ワクチンそのものは必要であったと考えております。
また、輸入ワクチンの確保量については、2009年10月時点で、優先接種対象者の全員及び健康成人の約3割が接種できるだけの量と決定したうえで確保したものであり、仮に使用されないワクチンが生じた場合でも、第二波などの再流行に備え備蓄することとしておりました。現時点での接種見通しを踏まえた輸入ワクチンの数量等については、今後、諸外国での動きなども踏まえ、検討してまいります。
現在では、新型インフルエンザの流行が落ち着いてきて、輸入ワクチンは不要であったということが考えられますけど、特例承認が見当されている頃には輸入ワクチンは必要であったと考えたことを強調しています。
厚労省のパブコメは、一般市民のガス抜き的なイベントで、結局は意見は聞いてもらえないんじゃないかとささやかれています。
寄せられた意見とそれに対する考え方を公表することで、そうではないんだということを示したいという意図が感じられます。
【関係ページ】
2010/2/20「輸入新型インフルエンザワクチンの調査」
2009/12/27「輸入インフルエンザワクチン、特例承認の方向で」