エイズワクチン、初の予防効果 米厚生省、タイで治験
asahi.com(朝日新聞)2009年9月25日19時34分
【ワシントン=勝田敏彦】米厚生省は24日、エイズワクチン2種類を組み合わせてタイで行われた臨床試験(治験)で、感染を3割防ぐ効果があったとの結果を発表した。エイズワクチンで一定の有効性を示す治験結果が出たのは世界で初めて。
タイ保健省と米軍などが協力して03年に始まった治験には、18〜30歳の男女1万6千人以上が参加。ほぼ半数ずつ、仏サノフィ・パスツール製のワクチンと米GSIDのワクチンを接種したグループと、偽薬を接種したグループとに分けて比較した。
その結果、偽薬接種のグループの74人がエイズウイルスに感染したが、ワクチン接種のグループの感染は51人で、31%に予防効果があるとわかった。
米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は「試験的なワクチンが初めて、ある程度の予防効果を示した。働きについては今後の研究が必要だが、この分野での大きな一歩といえる」と述べた。ただ、今回のワクチンの組み合わせでは、いったん感染した人の血液中のウイルスを減らす効果はみられなかった。
エイズワクチンの開発は盛んに行われているが、予防効果を示す結果はこれまで出ておらず、悲観的な見方も広がっていた。
HIVワクチンでHIVの感染を3割防ぐことができたということです。
予防効果がよくわからないといわれていたものが、ある一定の効果があるということが証明できたというニュースなのですが、深読みをしてみますと・・・
この治験、細かい実施計画書がわからないのでコメントするのは危険なのですが・・・
まさか、とは思いますが、ワクチン接種グループとプラセボ接種グループの方にHIV感染者に強制的に接触してもらって、感染するかどうかを調べたわけではないんですよね。
もしもそうならば、極めて非人道的な治験だと言えます。
たぶん、タイで自然発生的に感染するかどうかを2群間で比較した試験デザインなんですよね。
その点が気になります。
また、感染してない方が治験期間中に感染が確認された場合、その補償はどうなっているのかということが気がかりです。
普通にしていても感染するので、治験期間中でもそんなこと関係ないというようなスタンスなのか、それとも感染したその後のHIV治療を手厚くしたのか、ということが気になります。
なぜ米国ではなくてタイで治験が実施されたのか、ということがその答えのような気もしますが・・・