新型インフル、検査キット足りない 「心配受診」増加で
asahi.com(朝日新聞)2009年9月13日
新型の豚インフルエンザの流行のピークが近づくにつれ、医療機関で受診する患者が増え、感染したかどうかを診断する簡易検査キットが各地で不足し始めている。念のために早めの検査を希望する「心配患者」が増えていることも一因だ。残り少なくなったキットを有効に利用しようと、疑いの低い段階では使わず「節約」に努める医療機関も目立ち始めた。
医薬品卸会社「東邦薬品」(東京)によると、キットは8月中旬から品薄状態が続いている。8月の販売実績(金額)は前年同月の約120倍。取引先のほとんどで製造が追いつかず、注文の一部しか対応できない状態だ。キットを生産している検査薬メーカー、ミズホメディー(佐賀県)の場合、フル稼働で3倍近い増産を続けているが注文に追いつかないという。
厚生労働省によると、キットを製造・輸入する国内メーカーは15社。同省が8月、輸入分を含む来年3月までの生産見通しについて業界から聞き取ったところ、昨年同時期の2・2倍の2800万回分だった。発症者は国民の2割、約2500万人と推計されているが、その2〜3倍の受診者を予測する見方もあり、今後、各地でキットが不足する可能性が高い。
兵庫県尼崎市の長尾クリニックでは、5月末に地元で流行した際にもキットの在庫が底をつきかけたことがある。長尾和宏院長(51)は「備蓄したいが、大量に在庫を抱えるのは道義的にも抵抗がある」と悩ましげだ。
本来、治療薬を処方するのにキットによる検査は必ずしも必要ではない。医師の診断だけで処方は可能だ。しかし、医療機関には平熱でも心配して「検査してほしい」と来る人や、出社するのに「陰性」の証明が必要だと訴えて検査を求める人が目立つという。
こうした事態を受け、医師らは現場で工夫を始めている。発症初期では陽性と出にくいため当日は帰宅させ、翌日も高熱やせきが続くなら再度訪れるよう指示。感染の疑いが強い濃厚接触者には「検査をせずにタミフルを処方する」と話す医師も。
長尾院長は「キットは診断の目安のひとつに過ぎない」と、キットを絶対視する風潮に警鐘を鳴らす。キットの判定をあてにしすぎると必要な治療が遅れてしまう心配もある。
厚労省新型インフルエンザ対策推進本部医療班は「診断は患者の症状や感染者との接触歴などから総合的にできる。キットはあくまで補助的なもの。ただ、より的確な診断には役立つので供給態勢を維持していきたい」と話す。(稲垣大志郎、浅見和生)
インフルエンザの簡易キットが品薄だという話は、しばらく前から聞いていました。
それは勤務先の病院での情報ではなく、妻が働いている近所のクリニックでの情報です。
そのクリニックでは、何社もキットを変えてつないでいるという話です。
簡易キットはインフルエンザにかかったばかりでは陰性とでてしまうので必ずしも完全な検査ではありませんが、簡便に検査できるということでよく使われています。
しかし検査をしてくれと患者さんから頼まれると、検査をせざるを得ないような状況にあるようで・・・
なかには熱が無くて体がだるいだけで、安心したいがために検査を頼む方もいるとか。
妻に言わせると、だんだん数をこなしてくると、この人は陰性だな、この人は陽性にでるだろう、と検査前に予測ができてしまうようになるそうです。
この時期熱があって咳が出るなどのインフルエンザ様症状があれば、たぶん新型インフルエンザであると一番初めに考えてもいいような・・・
この時期にインフルエンザ簡易キットが品薄であると、秋冬になって新型インフルエンザだけではなく季節性インフルエンザも流行し出すと、簡易キットがどうにも手に入らなくなることが想像できます。
さて、どうなるでしょう・・・?