抗がん剤過剰投与、女性患者が急性腎不全…筑波大付属病院
筑波大は11日、同大付属病院(茨城県つくば市)で、抗がん剤の過剰投与から、茨城県内の40歳代の女性患者が急性腎不全になるなどの医療ミスがあったと発表した。
抗がん剤の副作用が重く、女性は入院治療中という。
同病院によると、女性患者は7月、内臓のがん切除手術を受けた。その後の治療で、1日だけ投与すべき抗がん剤を4日間連続で同量投与された。担当の医師が誤って、投薬回数などをコンピューターに入力した可能性があるという。
女性は抗がん剤投与後に退院、8月上旬に体調不良を訴えて再入院し、ミスがわかった。
投薬については、医師と看護師がダブルチェックすることになっており、同病院は調査委員会を設置し、原因などを調べる。
山田信博院長は記者会見で、「患者や家族の皆様の信頼を裏切り、おわび申し上げる」と謝罪した。
(2008年8月11日 読売新聞)
<医療ミス>筑波大病院、抗がん剤を過剰投与 40代女性、腎臓に重度の合併症 /茨城
筑波大付属病院で開かれた会見で、大学側は原因について、担当医が患者に投与する薬剤のオーダーをコンピューターに入力する際、誤って入力した可能性があることを示唆した。調剤された薬を患者に投与する際は、医師と看護師が二重でチェックすることになっており、今回もマニュアル通りしていたが、コンピューターへの入力の際に二重のチェックはしていなかったという。
同病院によると、抗がん剤「シスプラチン」を4日間の入院中に1回50ミリグラムを投与する予定だったが、4日連続で計200ミリグラムを投与していた。仮に医師が入力を誤ると、投与する際にはチェックが利かないという。
2008年8月12日(火)毎日新聞
この記事はみていましたが、レスポンスが遅くなりました。
another side of ”d-inf” - ヒヤリ・ハットと医療ミスは違いますで、ヒヤリ・ハットと医療ミスは違うと書いたのですが、これは完全なる医療ミスです。
抗がん剤のミスは致命的になる場合が多いので、病院全体として取り組まなければならない問題だと思います。
シスプラチンは5mgから10mg程度の少量なら連日投与することがありますが、50mg4日間連続投与は厳しいものがあります。
そもそもシスプラチンは、腎障害の副作用がありますけど、過量投与となったために急性腎不全となった可能性があります。
医師のオーダーミスだとされていますが、そうだとしても薬剤師は止められなかったのでしょうか? 看護師は止められなかったのでしょうか?
大学病院だから、抗がん剤は毎日いっぱい使われているので、薬剤部としてはそれぞれの患者さんの管理まではできなかったのでしょうか。
看護部は、カルテをチェックして、シスプラチンが4日間連続投与されるのを、「変だ」とは思わなかったのでしょうか。
たぶんそれぞれの部署でいろいろ言い訳はあるのでしょうが、どこかで歯止めがかかるようなシステムにしておかないといけないと思うんですよね。
・・・誰が抗がん剤を調製するのかも大事なのでしょうけど・・・
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