2007/9/11
「血圧の薬にアレルギーの薬が混入!?」で書きましたように、コニールのPTPシートにアレロックが混入していた件で、どうして起こったかということがだんだんとわかってきたようです。
2.混入の原因
「コニール錠4」の回収対象ロットの製造時期には、併行して製造ライン移転に伴う特別な作業として、「アレロック錠5」の全錠剤(約300 万錠)を目視で検査しておりました。この目視検査の過程で、プラスチック製の取手付きビーカーなどの器具を用いて、錠剤を保管容器から検査台に運びました。調査の結果、原因は、この器具の洗浄・確認が十分ではなく、そのため、この器具に「アレロック錠5」が付着し、PTP 包装前に錠剤の検査をしていた「コニール錠4」に混入し、そのままPTP 包装されたものと推測いたしました。
また、PTP 包装時に、機械(専用のカメラ検査機械)にて全てのPTP 包装の検査を行っております。この検査では、欠け錠などを排除できますが、色調を区別する条件設定が十分ではなく、「コニール錠4」に「アレロック錠5」が混入した場合に、確実には排除できなかったと推測しました。
●協和発酵:コニール錠4「自主回収の概要」
http://www.kyowa.co.jp/announce/2007/585.pdf
これまでの同社の調べでは、「アレロック錠5」を静岡の富士工場から山口の宇部工場に移管することに伴うバリデーション後、機器の洗浄が不十分でアレロック錠が付着したまま、コニールの製造ラインを動かし、コニールの包装に混入したと推測される。不良品を排除する検査で、錠剤の色を判別する条件設定が十分でなかったことも影響したとみられるという。
●薬事日報:【協和発酵】「コニール錠4」を自主回収
http://www.yakuji.co.jp/entry4373.html
「製造ライン移転に伴う特別な作業」で機器の洗浄が不十分でアレロックが付着したまま、コニールの製造ラインを動かしたため、今回の混入が起こったというのが結論のようです。
PTP包装の検査でも、混入が発見できなかったとのこと。
錠剤の欠けは発見できても、色まで判断できなかったということで、外へ出てしまったというのが真相のようです。
協和発酵のサイトをみると、患者さん向けの情報が掲載されています。
「コニール錠4」と「アレロック錠5」は色合いが異なります。お手持ちの「コニール錠4」のPTP 包装を今一度ご確認の上、万一、色合いの異なる錠剤が認められた場合には、お薬を交付された調剤薬局や病医院へ速やかにご連絡下さいますようお願い申し上げます。
●協和発酵:「コニール錠4」を服用されている患者様へ
http://www.kyowa.co.jp/announce/2007/586.pdf
協和発酵ではこの件に関するフリーダイヤルを設けており、この連休中も対応されるようです。
医薬品お問合せ専用フリーダイヤル:0120−850−150
9/15(土)9:00〜21:00、9/16(日)、9/17(月・祝)9:00〜18:00
●協和発酵