医療満足度、病気で差 認知症や乳がんは低く
認知症の患者やその家族の医療への満足度は、ぜんそく患者の半分――。過疎地や産科・小児科の医師不足など「医療格差」が問題となるなか、疾患によっても医療や医薬品に対する患者らの満足度に大きな開きがあることが、医薬産業政策研究所と明治大学の合同調査でわかった。満足度が低かった認知症や乳がんの患者らは、「医師との対話不足」や「待ち時間の長さ」など医療提供態勢への不満を強く訴えている。
調査は06年3〜5月、患者の満足度の高い医療について探るため、ぜんそく、リウマチ、腎臓病(人工透析患者)、認知症、乳がんの5疾患について、患者会の会員約1000人を対象に実施した。有効回答率は54.5%。認知症は患者の家族に回答を依頼した。
受けている医療全般について「満足」と答えた割合は、ぜんそくが64.2%で最も高く、認知症が34.0%で最も低かった。
どのような点が満足度に影響するかでは、認知症の患者・家族の場合、「医療機関の情報開示」や「医師との対話」を不満とした割合が他の疾患より高かった。その理由について同研究所が患者会に聞き取り調査をしたところ、「介護や生活に関する悩みを医師に相談しにくい」「アルツハイマー治療薬の種類が少なく、治験に関する情報提供が乏しい」といった不満が強かったという。
乳がん患者は、「最先端の医療技術が提供されていない」といった医療技術への不満のほか、「診療時の自己負担額」「医薬品の価格」を不満とする割合も高く、抗がん剤を使う治療費が家計を圧迫している実態もうかがえる。
一方、ぜんそく、腎臓病、リウマチでは「医師の治療技術」や「医薬品の効き目」に対する満足度が高く、治療による症状の改善がはっきりしている疾患ほど満足度が高くなる傾向が裏付けられた。
朝日新聞2007年05月07日
病気そのものによって患者満足度(Customer Satisfaction;CS)の違いがあるのではないかと思われます。
喘息はある程度コントロールできる病気である一方、認知症は治療により進行を遅らせるのがせいぜいで改善することはあまり望めないというところがあるのではないかと。
仕事柄、認知症患者の介護者さんの話を聞くことがありますが、本当に辛いと言われます。
短時間であればいいけど、一日中介護するのは精神的にも肉体的にも本当にしんどいとのこと。
介護者がその悩みを医師にはなかなか相談できないってことあるでしょうね。
認知症の治験の情報が少ないって件については、確かにそうかもわかりません。
自分の経験では、勤務先の治験管理室のホームページを見られて、ご家族の方がお電話をくださる場合がときどきあります。
それも東京や大阪にお住まいの方からです。
どこで認知症の治験が行われているかわからないということがあるのでしょう。
しかし、認知症の治験をやっているとは公開できますが、どの製薬会社のどの治験を実施しているかということは、秘密保持をしなければならず言えないということがあります。
がん患者さんも、抗がん剤や麻薬が高額なことがあり、治療費を含めてのムンテラがちゃんと主治医からされていればいいのですが、得てして請求書を見てびっくりされることがあるんじゃないかと。
患者さんを満足させることはなかなか難しい・・・