2018/9/4
以前ボザール・トリオの「ハイドン・ピアノ三重奏曲全集」を
入手しておりましたが、
全43曲(LP14枚)という量に気後れしてしまい、
殆ど針を通していませんでした。
思うところあって、最近全曲を通して聴いてみました。
いろいろな意味で
ハイドンという作曲家の特徴のよく分る作品集でした。
第一には響きがたいへん美しいこと。
和声のバランスが良く、じつに心地よく協和します。
作風にはベートーヴェン的な剛直さがありますが、
どのような場合にも、響きを濁さないのはさすがです。
同時代のモーツァルトとはどうしても比べたくなります。
柔軟なモーツァルトに比べ、ハイドンは剛直です。
また、モーツァルトの内面性に比べれば、
内面的な深みに欠ける点は否定できないかもしれません。
その辺りがモーツァルトほど人気を得ない理由でしょうか。
けれど、
このピアノ三重奏曲を流せば、
部屋の中に明るさが満ちるようです。
そして、心が落ち着きます。
美しい響きと明朗な楽想、、、
ロマン派以降のような内面性、精神性は
持たないけれど、
逆に、それがハイドンの良さかもしれません。
心労のあるとき、
このような響きは、妙薬です。
単に優しく慰めるだけではなく、
何か、活力を与えてくれるような作用を感じます。
CDでも入手できるようです。
ぜひ、お聴きになってみてください。
[DATA] ボザール・トリオ「ハイドン・ピアノ三重奏曲全集」
カタログNo 4831563、CD9枚組、レーベルDecca *cl*
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