『長距離ランナーの孤独』なんつってね、走り続けてんだよ。みんな。期待を裏切らないように。指図を受けたら親指立てて。「さぁ、勝負の時だぜっ!ゴール目指してイッチョクシェ〜ン!けど、疲れたなぁ。ちょっと休憩しようぜっ!」つってラーメン屋に駆け込むんだに。「おばちゃん、トンコツ頂戴っ!」「あんたねぇ、うちのカンバン見たの?うちはショウユオンレイよ」看板娘のおばちゃんはオンリーをオンレイって発音しちゃうんだ。「んじゃぁショウユで」。喰い終わって「おばちゃんおかんじょう」「シェ〜ンイェ〜ンっ!」って1000円ボッタくられるんだ。イッチョクシェ〜ンで行かなきゃぁ。寄り道をしちゃぁいけない。ホントに寄り道したくなったら森へ行くんだ。そこで濡れてる落ち葉を踏もうよ。トマトを喰おうよ。森のメロディーを聴こうよ。孤独なんかじゃぁないんだ。きっとね。顔を見ただけで、街ですれちがっただけで、わかるようになるんだ。きっと。ね。
マラソン・マンは大変だ。ほら、見てみな。ほら、聞いてみな。どこかでだれかが人生をマラソンに例えてるに。僕等みんながマラソン・マンって事かな?人生は起承転結か?『起』はハッキリしてるぜ。君にもぼくにも誕生日があるからね。『結』もハッキリしてるぜ。お墓が並んでるのさ。大事な心が眠ってる場所かな。だから『承転』。人生は線香花火大会。火が付いたら燃え尽きるまで。だから、ペース配分、考えよう。ボブ・ディランの目付きで。シド・ヴィシャスの口で。だいたい全部を乗り切ろう。なんとかなるってもんだら。できれば鼻歌混じりで。ね。
スポーツの世界に生きる人々の目標のひとつ。それはオリムピック。五つのワッパが行儀よく配置されてるぜ。人生を象徴するマラソンだから、やっぱ大舞台ね。絶対、オリムピック初日には挙行されない。後半戦で挙行されなきゃぁ。世界の人々の目ん玉を釘付けにしなきゃぁなっ!ってね。競技場のあなたも。沿道のあなたも。テレヴィジョンの真ん前のあなたもぼくも。
ある年のオリムピックでのマラソン・レース。我が国ニッポンの女性マラソン・ランナーは飛び出した。飛び出したんだよ。スタートっから。「すごいなぁ〜。持つかなぁ〜最後まで」って思ってたら、後半戦『転』の場面で脱落。やっぱり『転』だった。
ペース配分重要だら。健康飲料、飲み続けたら健康か?バランス栄養食、喰えば充分か?酒は百薬の長か?そんだったら突き抜けた最高リズムで、ずっと自由でいたいら。ずっとね。
バランス上手く取ろうよ。自転車で走っててもコケるよ。いつか。孤独になっちゃうよ。いつか。誰だってね。


《左》2004年発売。スパルタローカルズのアルバム「Sun Sun Sun』。10曲目に『森のメロディー』収録。《真ん中》2005年発売。スパルタローカルズのアルバム「DREAMER」。4曲目に『ロックとハニー』収録。《右》2006年発売。スパルタローカルズのアルバム「スパルタローカルズ」。3曲目に『ディストーションブルースボーイ』収録。
2006年10月22日。浜松FORCEにてスパルタローカルズのGIGを初めて観たよ。
最高のダンス・ミュージックだと思った。マラソンに例えるなら、始めはゆっくりなペースで、だんだんペースを上げてって、最終的にブッチギって行く感じ。「ばかやろうっ!」ってね。最高なペース配分。だけど残念だった。なぜなら、最高のロックンロール・リスペクト・チューン『ジャーニー&ジャーニー』を演らなかったからだ。終演後、タク付近に居たスタッフの女のコに言ったよ。「『ジャーニー&ジャーニー』聴きたかったってメンバーに言っといて下さい」ってね。
俺はロックンロールで育ったから自己主張したくてたまらないんだ。何かを感じたら。そして何かを感じたんだ。CD音源も最高だがGIGの方が更に最高なんだ。言う事これ以上なんにもないよ。

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