「バイクに乗ってると風になれる」って本当か?「バイクは鉄の馬」って本当か?
♪バァ〜イクで行くのさぁ〜 キミに会いにゆくぅ〜 メェ〜ットを片手にぃ〜 キミ待つとこまでぇ〜 タァ〜ンデムシィ〜トに〜 キミがいるぅ〜 ボォ〜クの右手は〜 アクセルさぁ〜 愛のアクセルぅ〜(はいっ!) 愛のアクセルぅ〜(はいっ!) そぉしぃてぇ〜〜〜〜っ! 二人は風になるぅ〜(はいっ!はいっ!はいっ!)♪
こんな歌が数秒で完成した。恋愛ソングだが、ちと違う。冒険心に満ち溢れている。安全を確信した上での冒険。まるで健康的。
だからきっと。バイクに乗ってると風になれるんだろう。
♪お〜れは鉄だぁ(鉄だぁ〜鉄だぁ〜) お〜れは馬だぁ(馬だぁ〜馬だぁ〜) お〜れ〜がバイクだぁ〜〜(ふぅ〜っ!) あいあんほぉ〜すだよぉ〜〜〜〜(はっ!)♪
「はいっ!シンガロングなナンバー、ザ・スリックスの新曲“アイアンホース”をお送りしました。すごいですね。えっ?気付きませんでしたぁ?だって英題【IRON HORSE】でしょ。【鉄の馬】ですね。そして邦題が【愛と管(クダ)】ですよ。愛&HOSEのつもりでしょうね。素晴らしいですね。バカですね。詩人気取りで下らん韻を踏んでます。淳吉郎さん。まぁ〜いいんじゃない?なんちゃってね。えっ?気付きませんでしたぁ?【韻】と【いいんじゃない】を掛けてるんですよ。そして楽曲。得意なモッド・テイストにOi 風味なシンガロングをミックスしてきました。淳吉郎さんのセンスに、かんぷぁ〜いっ(乾杯っ)!」
なんてなロックンロール・ミュージックを主体に放送するラジヲ番組でのディスク・ジョッキーのコメントが本心か否かは別問題として。語ってる。だって、誰だって誰かに雇われてるんだ。んで、銭をもらってる。長い管に巻かれろ。かぁ?それも一つの手さ。手法さ。それもいい。んでも、朱に交われば赤くなる。ってのもあるよ。それよりもむしろ、青は藍より出でて藍より青し。で行こう。そんなんなったら最高さ。
『年喰って初めて感じたり解かったりする事だってあるんだ』ってディランとかジョンとかが言ってそうじゃん。言ってないかな?でも、言ってる感じがする。
【青春】って言葉、けっこうイケてると思う。最近そぉ感じ始めた。それって、青春真っ只中(せーしゅんまっただなか)な奴等には見えないんだ。【青春】ってやつが。その中に居るって事を認識してない。例えばキミが登山をしてるとして、知らぬ間に雲の中に居る状態だとしよう。「なんかモヤモヤしてるなぁ〜。向こうが見えてるような見えてないような。とりあえず歩いてみるか。」って登ってくんだ。険しい昇り道でも。つまづきながらもなんとか登ってる。その山を遠くから見ている人達(すでに登山を終えた人達?)には「今日はあの山、雲がすごいね」って感じ。【青春】ってその“モヤモヤ”だとか“山”だとか“登ってる”だとか“とりあえず行ってみよう”だとかっつー状況の総称なんじゃないかな。んで、遠くから見てる人には“雲”=“青春”の図式なのだ。年喰って初めて感じたり解かったりする事だってあるんだ。
25歳ぐらいの頃だ。当時のバンド仲間と。二人で。バンド以外でもつるんでた。バイク乗りとして。二人ともホンダ・スティード・400cc改造版。青色のボディ。ナイスバデー。イージー・ブルースって名前のコンビで。ピーター・フォンダとデニス・ホッパーよろしく各地を旅する二人。秋ごろ、バイクで紀伊半島を旅した。国道42号線を走った。夜になった。雨と霧。なんかモヤモヤしてるなぁ〜。向こうが見えてるような見えてないような。とりあえず走ってみるか。五里霧中(ごりむちゅう)の状態で。夢中で走った。センターラインも無い5メートル幅の砂利道の国道さ。無事に里に出て(市街地に出て)。とある人と出会って。泊まる場所を確保。ちっちゃな民宿の宿泊者記帳ノートに住所を記入。名前を記入。一人は松田優作って。もう一人は鮎川誠って。とあるその人に「美味いもの喰いたい。いい店教えて」って言った。民宿から200メートルっくらいの距離のお店を教えてくれた。2000円の金額で山菜&海浜料理満載なメニューを喰った。たらふく喰った。
青春時代の思い出さ。
今でも乗っている。たまにだけ乗っている。ホンダ・スティード・400cc改造版。先日、そのバイクに乗ろうとしたらエンジン不発。「バッテリー上がったか?最近、乗ってねぇ〜しな」って充電。バッテリーはビンビンじゃない。充電してもエンジン不発。だめだ、こりゃ。バイクがチンプリかえってる(※)。声が聞こえてきたよ「もっとカマってよぉ〜あたしに〜。あんたいつでも好き勝手にあたしに乗るんだから〜。もっと手を掛けてよ。あたしに触って。さ・わ・っ・て・ぇ・っ!」って。
バイクは正直だ。バイクは生き物。バイクに限らず機械は生き物。全て生き物。人間以上に素直さ。彼等は感情を持っていないからね。メンテナンスをしてあげれば、正直に反応してくれる。長持ちしてくれる。
さぁ機械になろう!誰だって誰かに雇われてるんだ。ボクはバイク。ボクはタイム・マシーン。だれかボクを操縦しておくれ。操作しておくれ。
(※)チンプリかえる・・・静岡県西部の方言。ムッとしてご機嫌悪そうに不貞腐れる(ふてくされる)様子。「ちぇっ!いいよ、もうっ!勝手にしやがれっ!」って感じ。同義な様子を伝える静岡県西部の方言に【はしとんがらかいて】っつーのも存在。パンク・ロッカー、シド・ヴィシャスさんがカメラの前で口を斜めに捻じ曲げる感じの風貌、アクション。不機嫌さを表現する時のあの感じ。「あいつ、はしとんがらかいて、チンプリかえってやがる」って言われた日にゃぁ、あなたはイッパシのパンクス気取り。って事さ。静岡県西部じゃぁね。
2007年発売、THE BIKEのスタジオ音源「ALIVE HERITAGES」。ザ・バイクについて簡単に説明するね。ザ・コレクターズの前身バンドって呼ぶのが最適かな。スリーピース・バンド。Bass&Vo.担当が加藤ひさし。コレクターズのヴォーカルの人ね。ドラムスが初期のコレクターズで叩いてたリンゴ・タマキ。80%の割合でコレクターズの初期の楽曲がこの時点で演奏されてる。聴いて俺は耳を疑った。とんでもないレベルのアマチュア・バンドって事さ。
2007発売、THE BIKEのライブ音源。最終的にザ・バイクスって名前で4人編成にて1985年12月22日にライブハウス:渋谷・屋根裏で解散ライブをしたみたい。その音源を中心としたライブ音源集。4人組になったザ・バイクスの演奏聴いててね「これ、コレクターズじゃんっ!」って思ったの。すごいレベルの演奏。でも違うのね。コレクターズとは違う。野郎の声が多い。異常なテンションのライブが満載。すごいな。
簡単に説明する。ザ・コレクターズはモッドな意識の下に活動を始めたロック・バンド。もちろん最高な。ザ・バイクは生粋のモッド・バンド。息吹が断然、違うね。オリジナル曲だけをモッズ・イベントでも演り続けたらしい。最高じゃぁないかっ!

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