2005年3月27日
第二回目の打合せもやはり都内某所にてランチを取りながら肩肘の張らないものでした。
今回の打合せは計画を進めるというよりは、前回の打合せの内容をお互いの共通認識としたことを確認しあうため、という側面のものです。
前回の内容を確認し、建築主から新たに思いついたことなども聞いた後、平屋建ての2案を紹介しました。
もちろんこれらの案が持つ性格、「初期建設コストを最も低く抑えることを目的としつつ、建築主にとって住宅のミニマムな機能(住宅のあり方)とはどんなものであるのかを改めて認識してもらうため」と言うことを説明しました。
建築主夫妻は設計者の意図をよく理解してくださったようで、僕の説明を熱心に聞きつつ、それぞれの案が持つ特徴を注意深く読み取ってくれました。
特に各部屋の機能に照らし合わせた配列の仕方や、部屋の大きさについてなど実際の計画につなげるリアリティを持っていただいたようです。
一方、その上で彼らが求めている住宅は、やはり2階建てで個室が3室(主寝室+子供室2室)あるものということを少々申し訳なさそうに伝えてくださいました。
「全然申し訳ないことなんてないんですよ!」設計者がさまざまな角度から色々な可能性を探るのは当然の責務です。
その中で建築主は自分の思ったことを伝えてくださることこそ最も重要なことなんです。
さらに「恥かしいのだけれど…」と言いつつ数枚の紙片をテーブルに並べてくれました。
建築主夫妻の間で毎日のように話し合ったのであろう痕跡が、平面図として存在していました。
この時もまた申し訳なさそうにしていましたが、彼らが自分たちの意思を一所懸命僕に伝えようとする気持ちが良く分かりました。
なるほど、そうきましたね。
きっと僕が平屋建ての説明に熱を入れていたから心配していたんでしょう。
でも大丈夫です。実は今日はまだお見せするつもりはなかったのですが、前回の案をベースに要望書の意見を反映しつつ新たに2階建ての案も作っています。
次回の打合せのときは今日伺ったお話もこのスケッチに反映させてもうちょっとちゃんとした形でお見せできますよ。
建築主夫妻は安堵の表情を浮かべながら、いつまでも2階建て案の図面を眺めていました。

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