外観写真です。
分かりにくいですが正面左下の窓、ダイニングに面しているのですが、電動オーニング(テント状の庇)が付いています。
不思議なもので、オーニングを広げると窓を開けたくなります。
ガラスは透明ではあるけれど空間を遮断してしまうのに対し、庇は視覚的に存在するが故に内外の空間をつなげようとしているようにも感じます。
立面計画上の意図は、先ず設計段階で述べたように可能な限り大きな床面積を確保し、そのままマッシブな立方体を用意することからはじまっています。
正面(南側)の、2階バルコニー部分を1階部分も含めてえぐり取り、大きな凹凸、陰影が付きました。
そこにシンプルな切妻屋根を用意し、そっと置きます。
このとき、えぐられた部分の上部で如何に屋根の厚さを薄くするかがポイントです。
ケラバと呼ばれる屋根下地の軸組(母屋;モヤ)を隠す板材を通常の半分以下とすることで、あえて母屋の下半分がその断面を覗かせています。
壁の最上部、屋根直下にポツンポツンと茶色い母屋断面が見えますか。
この小さなアクセントが愛らしいと僕は思っています。
外部現しの化粧梁(ハリ)、バルコニー手摺など木部は浸透性の外部用保護塗料を塗って仕上ています。
もちろんメンテナンスは必要です。

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