お正月の15日間も過ぎ、ようやく落ち着きを取り戻してきたでしょうか。
遅くなりましたが、今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
なかなか頻繁なアップが出来なくなって久しいのですが・・・。
「建築」を取り巻く社会的な状況は今年もまだまだ厳しいことでしょう。
最近、耐震偽装や手抜き工事の影響もあって、設計、施工それぞれに対して民間機関を利用した再チェックが増えていると聞きます。
TVコマーシャルでも住宅の耐震性を訴える物が多いように感じます。
一つには良いことでしょう。
建築には「美・用・強」の3要素があると説いたのは古代ローマの建築家ウィトルウィウス(ヴィトルヴィウス)ですが、その「強」つまりシェルターとしての機能にスポットを与えるのは重要なことです。
(しかし設計者・監理者としての信用・信頼が失われつつある現状は悲しい物ですが。。)
■■■
昨年来、悲惨なニュースが後を絶ちません。
いじめに伴う自殺や住宅内で起きる身内の殺人事件等々。
全て普通の日常の中に潜む影が突出して事件に発展しているようです。
とするならば、建築の役割は重大です。
普通の生活を抱擁するのが住宅の役割であるならば、殺伐とした悲惨な事件を演出した一端を住宅(建築)が担ってしまったと言えるのかも知れません。
前出の「美・用・強」の内、用は機能を意味しています。
「美」は広義でも狭義でもデザインのことでしょう。
「美・用・強」が統合された「空間」こそ求められるべきではないでしょうか。
生活者を暖かく包み込む空間。
シェルターでも、純粋芸術でもなく、生活者・居住者を暖かく迎え入れる空間をこそ目指したい、と思う次第です。
偉そうなことを書いてしまいましたが、結構本音だったりします。
以上、2007年の所信表明でした。

0