スペインの話をしていてバルについて触れないのは如何ともし難いので、「スペインのピソ」の終わりにバルについて紹介します。
ご存知かもしれませんが「バル Bar」とは、スペインの居酒屋のことです。
街中いたるところにあって、基本的にはカウンター形式の立ち飲みが主です。
もちろんほとんどの店にイスとテーブルもありますが、カウンターにもたれかかって小皿料理をつまみに一杯やるのが、やはりバルらしいと思います。
呼び名は色々で、基本的にはバルですが「カフェ cafe」もあるしビール(セルベサ cerveza)に力を入れているお店では「セルベセリア cervezeria」なんていうのもあります。
ちなみにビールのことを一般的にはセルベサと呼びますが、バルの生ビールを特に区別して「カーニャ can~a」と呼ぶこともあります。
カーニャとは「竹」のことなのですが、生ビールを注ぐときの蛇口の部分が細長いことから竹に見立てているとのことです。
だからバルに入ったら「ウナ・カーニャ・イ・トルティージャ・デ・パタァタ Una can~a y tortilla de patata」といえば完璧です。
トルティージャというのはスペインオムレツのことです。
パタタはジャガイモですから、トルティージャ・デ・パタタはジャガイモ入りオムレツのことです。
もっとも普通、トルティージャといえばジャガイモ入りですから、パタタは言わなくてもOKです。
また、ジャガイモ抜きで、代わりにチーズが入っているのをトルティージャ・フランセサ(フランス風トルティージャ)と呼んでいます。
小皿料理のことを「タパス tapas」とか「ピンチョ pincho」と呼びますが両方とも同じ意味です。
地域・お店によってそれぞれ趣向を凝らしたピンチョが並んでいて、クイシンボーなら見て歩くだけでも楽しいはずです。
ちなみ前述のトルティージャはタパスの代表料理です。
1ヶ月間のホームスティを経て、その後の1ヶ月を学生仲間とルームシェアをして暮らしました。
その時は良く夕食をかねて友達とバルめぐりに興じたものです。
お店ごとに得意料理が違っていますから、お気に入りのお店を紹介しあうのも愉しい事でした。
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バルのことを「居酒屋」と紹介すると夜間営業だけのような感じがしますが、実際は午前中から開くお店が多いです。
そんなバルでは大体朝食セットが用意されています。
バルで「デサジューノ(朝食)desajuno」というとトーストとコーヒーのセットがもらえます。
またチュロス Churosとチョコラテ Chocorateを頼んで、チョコラテにチュロスを浸らせながら食べるのもなかなかです。
食べ終えた後にオレンジジュース(スゥモ・デ・ナランハ Sumo de Naranja)を飲むとさっぱりします。
ちなみに僕はスペインでも良く魚釣りに行ったのですが、その時はバルへよりコーヒーを飲むついでにサンドイッチ(ボカディージョ Bocadillo)を作ってもらっていました。
サラマンカで、魚釣りの合間にローマ橋のふもとでカテドラルの双塔を見上げつつ食べた、トルティージャを挟んだボカディージョの味が忘れられません。

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