僕がホームスティしたピソは、日本の間取りの呼び方をすると3LDKだったと思います(ひょっとしたら4LDKだったかも?)。
家族構成は老夫婦のみの世帯でしたが、一人娘が結婚し家を出たため空いた部屋を学生に貸し出していました。
もっとも、僕らの感覚ではユニークに思うのですが、結婚した娘夫妻はこのピソの近所に住んでいるらしく、昼食と夕食は夫婦でこの娘の実家へ来て、僕ともども一緒に食事をしていました。
スペインでは特に珍しいことではないようです。
ちなみにスペインでの食事は、朝はコーヒーとビスケット程度。
仕事は9時か10時くらいから1時半くらいまでが午前の部。
昼は2時くらいからガツンと食べます。
その後は当然シエスタです。
一休みして4時くらいから7時くらいまでが午後の仕事です。
夜は9時くらいから、やはりガツンと大量に食べます。
だから朝食は軽いんですよね、もたれていますから(笑)。
部屋の構成や大きさはアメリカよりも日本のそれに良く似ていると思います。
決して広々とした部屋を使っているわけではありません。
個室も収納を別にして6畳程度の広さが多いと思います。
日本の住宅と決定的に違うのは、部屋の暗さです。
もちろん建物の向き(方位)にもよりますが、僕らが思っているよりも大分暗いです。
基本的に、昼間はもちろん電気は付けませんが、夜でも人が居るところにだけホンワリと白熱灯の明かりがあるだけです。
日本でも最近は白熱色の電球を選択することが多いかと思いますが、僕の実家などではシーリングタイプの蛍光灯で部屋の隅々まで青白い光を行き渡らせていました。
そして面白いのはピソの共用部(共用玄関や廊下、ホールなど)で、ここでは普段は昼でも夜でももちろん電気が付いていなく真っ暗です(窓が無いことも多いです)。
そこで電気のスイッチを押すのですが、これがタイマーでわずかな時間が経過すると勝手に消えるようになっています。
タイマーの時間は建物によるのだと思うのですが、30秒とか1分といった非常に短い時間です(正確な時間は計っていませんが)。
レストランのトイレなどでもこのタイマー式照明は少なくなく、踏ん張っている最中にパッと暗くなってしまったことも!?
ちなみに部屋ではテーブルのスタンド照明を付けて勉強をしているわけですが、途中トイレに行ってテーブルに戻るとスタンドが消されていることがあります。
家の人がわざわざ消しちゃうんです。もったいないからと。
それが全く自然で、普通のことのようでした。
当然悪意は感じられません。
(たまには悪意を持つこともあるのかもしれませんが、笑)
「コンサバ」というとファッションの世界が思い浮かびますが、ヨーロッパ(特にラテン世界か?)では基本的に全てにおいて「Conservative」であるのかもしれません。
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ちなみにスペインに限らずヨーロッパでは中庭型の集合住宅が基本です。
そして中庭には皆さんも見たことがあるだろうと思える例の光景が展開されています。
洗濯干しです。
もちろんロープを渡した対面の部屋は別の家なのですが、洗濯物を間違えることなくお互いに上手く利用しているようです。
建物が集合し、大型化すると採光・通風換気といった衛生環境の問題で中庭が必要となるのは洋の東西を問いません。
日本でも形は違いますが、京町屋など間口が狭く奥行きが長い、いわゆる「うなぎの寝床」では中庭が用意されています。

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