先程、王座戦第5局を並べた。
中盤は豊島七段の模様が良さそうな気がしたが、途中から羽生四冠王の方が模様が良くなっていった。
最も驚いたのは、下図の局面からの羽生四冠王の寄せである。
図の局面は、羽生四冠王がかなり優勢だと思う。
▲8二竜から攻めても勝ちそうに見えるので、時間が十分あれば▲8二竜からの寄せを考える。
しかし、寄せ間違うと危険なので、時間がない場合は無難に竜を逃げると思う(実際、竜を逃げておいても先手がかなり優勢だろう)。
実戦では、タイトル戦の最終戦という重大な一局の、しかも1分将棋という過酷な状況の中で、羽生四冠王は▲8二竜からの寄せを選択した。
しかも、100%勝つことを確信した上での▲8二竜である。
そして、見事に防衛に成功した。
本局は、名局賞にふさわしい将棋だと思う。

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