私は以前から、藤井九段の将棋のイメージと、ドビュッシーの音楽のイメージが酷似しているように感じている(こんなことを考えている人はいないだろう)。
藤井九段が将棋界に起こした藤井システムをはじめとする数多くの革命的な序盤作戦と、ドビュッシーが音楽界に起こした印象主義と呼ばれる独自の技法が、私の頭の中で重なるのである。
伝統や既成概念にとらわれない発想に基づいた新しい試みを繰り返し実践し、新たな境地を開いたという点が酷似しているように感じるのである。
私の中では、藤井九段の将棋はドビュッシーの音楽なのである。

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