昨晩、ドキュメント番組「死闘 渡辺明対羽生善治〜ドキュメント竜王戦」を見た。
ポイントとなる局面での両者の見解が聞くことができ、大変面白かった。
渡辺竜王の見解を聞いていると、渡辺竜王は勝つための勝負術が卓越していると感じた。
ポイントとなる局面がどこかを的確に判断し、その局面で勝ちやすい手を選択する能力が素晴らしいと思った。
また、事前の研究で勝ちやすい展開を取捨選択し、実戦で活用する能力にも長けていると思った。
実際、渡辺竜王の将棋を観戦していると、渡辺竜王が勝ちやすい流れになっていることが多い。
このようなタイプの棋士は、10年位前まではいなかったような気がする。
渡辺竜王の将棋は現代的な感覚の将棋ということをよく聞くが、その言葉がぴったりだと思う(現代的な感覚というのはどのような感覚なのかを説明するのは難しいが)。
羽生三冠王の言葉で印象に残ったのは、七冠制覇した若い頃と40歳になった今とでは、将棋に向かう姿勢や考え方が変わったということだ。
このことは一般的にいろんな物事に対して当てはまると思う。
私は将棋に関しては心境の変化を感じられる程強くないが、実生活において羽生三冠王の言葉と同じように物事に対して向かう姿勢や考え方が変わったということはよくある。
もうすぐ40歳になる私にとって、羽生三冠王の言葉は容易に納得できた。
今の将棋界を見ているともしかしたら世代交代が始まるかもしれないという気がするが、短期間で世代交代が行われるとは思えない。
まだまだ羽生世代は強い。
今後10年位、羽生世代と渡辺世代との戦いは続くと思われる。

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