前日ブンマー養殖池の帰り、ツアー参加の丸山さんカップルと飯を食べるために寄ったボーヌム釣堀。
ずいぶん久しぶりに訪れたが、この、これぞバラボリといった風情は相変わらず健在でなんか心地よい懐かしさを覚えたほどだ。
だからというわけでもないがなんとなく、本日午前中の「どこかバンコク近郊で釣り」計画の舞台に選択した。
丸山さんらをカオサンに送り、そのまま黄昏のバンコク脱出。
ボーヌムの近くにラブホがあれば翌日まで2〜3時間熟睡休憩。なければ車中泊のつもりだったので、まずは空港そば、夜釣りさせてくれるバンプリーのバラボリへ行ってなるだけ遅くまで釣りをして時間つぶしをしようと考えたが、案の定久しぶりに行ってみると道に迷った・・・(-_-;)
9時半まで迷ってやっとそれらしき入口を発見したがすでに内部は真っ暗なので釣りはあきらめ、その足でふらふらと途中どこか知らない街の屋台街で食事し、気が付けばボーヌム近くのガソリンスタンド到着。昨日は禁酒日で酒は買えないしあたりまえだが寝苦しい夜だった。
翌朝スタンド駐車場で、これまたあたりまえだが腰の痛さと暑さで5時前には目が覚め洗顔、軽食の後、釣り準備を済ませ気合十分で元祖バラボリボーヌムへ。
連休明けの早朝は当然のごとく、お客はぼく一人。
朝のすがすがしい空気の中、期待は膨らむ。
が、
8時を過ぎてもノーバイト。
10時を過ぎてもノーバイト。
正午を過ぎてもノーバイト。
マジですか・・・。
軽くひとっ釣りして、午後からバンコクでパスポート更新申請パパっとすませて夕方にはナコンサワン帰宅。なんて甘い計画をたてていたが・・・なんにもないまま、正真正銘オールゼロでこのまま帰らなきゃならないのか?車中泊までして!?
これは修行の第一歩。これでまた新たな目標ができてしまった。次はいつ来よう。近いうちリベンジだ・・・と一時は素直に帰ろうとしたが、昼前にやってきた常連客らしきイケメン若者2人、色白彼女同伴、タックルはオール新機種日本製、の典型的バンコクのボンボン釣師がぼくの隣であっさりとバラを釣ってしまった。
しかも2人とも、連続で、複数匹。
これは日本人の誇りにかけて、ここで帰るわけにはいかない。
辛い時間のはじまりだった。
彼らは定期的に釣る。こっちは相変わらずアタリもない。不思議なくらい当たらない。
彼らはひたすらシンキングミノーの激スローなトゥィッチ&ポーズ。
バラボリ定番のメソッドであるが、ぼくには炎天下あの釣りを続ける持久力がない。
これが全てなのか?メンタルの弱さ?いやほんとは日本人がタイ人に持久力で負けるはずがないのだが(
パッポンタニヤ通りを歩いてもまったく声をかけられないのは確かだが、ぼくだってれっきとした日本人だ)、ぼくはこの同じ動きの繰り返しを、あのように悟りを開いたかのような「無」の状態で続けられないのだ。
すぐに何かを変えてしまう。巻きスピードなりトゥィッチ幅なりルアーなり。
というか、そもそも釣れている人の真似をする素直さがない。彼らの隣でシンキングミノーに付け替えるのだけはイヤだったのでずっとワームのスプリットショットやFシャッドミノーのナベリグなどをキャストしてた。
ボトム狙いは同じなんだからせめてコンッとかバイトだけでもあっていいんじゃないの?
が、何もない。無、無、無、ナーダ、ナーダ、ナーダである。
イケメン常連・色白同伴(←ここにはちょっとこだわる)がキャストするたび聞こえてくるDCリールの音がぼくの神経を逆撫でする。
そのまま午後2時、いよいよ追い詰められてなかばヤケクソ、最近まとめ買いしたオキニのバイブレーションに付け替えたとき、少し状況は変わった。
いわゆるリフト&フォールだが、フォール時にガツッと大きな当たり。
強い引きにMHアクションのスピニングロッドはノサれ、ドラグはジージーで走られっぱなし。
これほんとバラ?だとしたら相当な大物か、もしかしてスレ?それだけは恥ずかしいから勘弁してくれ・・・・いろんな思いが浮かぶ中、かろうじてランディング成功。
何これ・・・。
いつの間にこんなの放流したの、ここ?
そりゃ引くわ・・・。
ある意味スレ掛かりより恥ずかしいわ。やりとりにものすごい時間かけてこれやもん。
気をとりなおして
とここで、いままで吹き荒れていた風が緩み、テラピアが浮いてきたのか岸際でボイル発生。
おなじバイブをボイル脇にキャスト。同じアクションを加えると、またもフォールでゴンッ!
やっとバラか!これで帰れる!
と思ったらまたもや強烈な走りに、ドラグジージー。
水車のほうに走るのだけは勘弁してくれ、と思ってたら反対側の岸際護岸のコンクリート板の隙間に走り込みやがった・・・。
で、思ったとおりあっさりラインブレイク。
強引に隙間から引き抜こうとしたときに見えた姿は、そう、またもやプラー・コッ・ケオ。良型のアジアンレッドテールキャットフィッシュだった。
短い付き合いだったオキニのバイブはokumaの製品で、やばいくらいtsunekichiのヘラバイブ似。4月末バンコクでのタイFショーのセールでお値段なんと25バーツ(62円)。
テンションフォール時の動きが独特で、そこに惚れてわざわざ後日1個45バーツ(113円)の割高価格で問屋から箱注文。
想像していた使いどころは、最近ツアーで行く機会の多いピラルクボリでの餌撒きタイム。
まったくの予想通り、これはピラルクボリでレッドテール爆釣間違いないね!
ボーヌムでここまでナマズだけ選んで食わせられるんだから!
こいつのテンションフォール時のスライドアクションは、偶然の産物だろうけど秀逸。思わず大人買い。値段的に子供でも買えるけど。
今日はある意味満足だ。思ったルアーの思った使い方で思った魚・・・とはちょっと形が違ったけど、釣れた。
ん?バラマンディ?
はい、出直します。ブンボラペッでもっともっと炎天下にさらされ、修行しなおしてから出直します。
というわけで、バラマンディ、9時間メシも食わずに釣り続け、おまけにパスポート更新もせずに完全試合達成なわけですが、まじめな話、この前そこそこ日本で釣りを楽しんできたばかりの今だからこそ自信をもって断言できます。
バラボリは簡単じゃない。かなりハイレベルな戦いです。ここで打ちのめされ、プライドを傷つけられながら修行すれば間違いなく自分の釣りのクオリティーは上がる。ボリとか天然とか関係ない。いや、むしろ人為的に、突然無理矢理に変えられる状況変化へのアジャスト能力は天然フィールド以上に要求されることも今回よくわかりました。
ロマンはないかもしれないし、あんまりカッコよくもないけれど、これからぼくはできる限りボーヌム釣堀に足を運ぶことにします。
極めろ!バラボリ道。目指せ!ボーヌムの星。

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