洪水ネタ、続きます。(早く釣りに行かなくちゃ・・・)
車の車検が切れたので(5日ほど満期日過ぎちゃってる)、ナコンサワン市内のサンダル親父の家に預け、のちの堤防決壊による市内冠水後は親父の手により郊外の高台に移動してもらった愛車トヨタ、ハイラックスと久し振りの再会。
まずは、この辺ではようやく運転再開したタイ国鉄北部線に乗り、ブンボラペッ駅から2つ先のナコンサワン駅へ向かう。
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途中の車窓風景は、大海原っ、ってかんじで、水面を吹き抜ける風も涼しく、爽快感すら漂う。
しかし爽快だったのはここまでで、列車を降りソンテウに乗り換えナコンサワン市内に入ると大渋滞、さらに泥水が乾いた後の、まるで10年前のカンボジアのような砂埃の中、ソンテウはノロノロと進む。
とりあえず車のキーを預けているサンダル親父の家へ行かなければならいが、ソンテウの走る市道からソイ(路地)を500メートルほど宅地へ入らなければならない。
しかし、そのソイにはまだ水が50センチほどの深さで水が残っている。その水色と臭いに気付くや、一緒に来ていた嫁のノックは、
「ひとりで行ってきてね、鍵もらうだけだから。私、長ズボンだし。暑いけどここで待ってる」
たしかにこれは、「忍耐強さ」がとりえの日本人でもキツいわ。
ネットで見た、バンコク近郊の洪水被災地の町で軍隊救援ボートを「濡れるのがイヤ」という理由だけで私用化しちゃう女の子が多くて困っている、というニュースを思い出すが、分かる気がする。
汚れるとか、そういうレベルでなくて、足が溶けそうやもん、マジで・・・。
普段は車で通る道だが、なんと長いことか。
水自体がもうゴミ箱(の中身)と一体化しちゃって、おんなじ臭いしてるんだもん・・・。
アジアの市場とか、屋台の臭いがどうしてもダメ、という旅行者の人を仕事上、何人も知っているが、そんなの全然大丈夫なぼくもさすがにこれはきつい。
よくバンコクとか、タイの都市部で見る、やたら格子目の大きい下水口のふた。あのブラックホールを覗いた時、ついしてしまう禁断の、認知性バイアス妄想・・・もし落ちたら死ぬ・・・。
しかし今、何分の一かに希釈されているとはいえ(希望)、その中を歩いている。
そしてサンダル親父の次女はこの洪水騒ぎのさなか入院中らしい。原因不明の腹痛、下痢。
いや、今は医者によってこの汚染水に浸かっての生活が原因だと特定されたらしい。
親父の家の前はちょっと深くなっているので、サンダル息子・弟ミンがボートで迎えに来てくれた。オリジナルのサンダル息子メンはチャオプラヤの橋げたで牙ナマズ(プラービィヤオ)釣りの最中だって・・・。さすが。
しかし澱みすぎでしょ、ココ・・・。なんて水通しの悪そうな。シャドー釣りだったらまっさきにパスするワンドだわ。
サンダル親父、ドブ化した下宿長屋前で仁王立ち。しかもいつでも泳げる体勢か!?
親父自慢の、シャドー釣用ボートは堤防決壊時は大活躍だったらしい。
というか、次から次へと救援要請が入ってきて大変だったとのこと。
助けてあげると、お礼なんかいらない、と言ってもポケットにお金をねじ込む人も多かったとか。
で、来年の洪水に備えてもう一艘ボート購入する決心したとか。
ん?来年は白タクもやるのか、オヤジ?
水位はこれだけ、ピーク時に比べて1.5メートルほど下がったらしいが、堤防から水が流れ込んで来たときは大変だったろうな・・・。
ただもちろん流れ込んできた当初の水は汚水ではなく普通の川の水で、しかも一緒にプラーブック(メコン大ナマズ)の、なんと20キロクラスも流れ込んできたらしい。
よくこんなソイの奥まで入り込んできたもんだが、多分親父の下宿で産卵するつもりだったんだろうな(笑)
そしてあえなく、サンダル息子・弟ミンに、ひっかけ釣りで釣り上げられたそうだ。浅いから横走りがすごかったらしいが、すぐに家の隅に追い込まれて捕獲されたらしい。
しかし20キロって・・・ブンサムランサイズやもんなぁ・・・。
ブンボラペッ水族館からも44匹のワニが逃亡中だが、個人的にはワニよりこっちのほうがいいな。
そしてオヤジのバイクで2ケツして郊外の車置き場まで行くが、愛車ハイラックスは案の定バッテリー切れ。
釣り中のサンダル息子・兄メンを呼びつけ、ボート用バッテリーを持ってきてもらうが、メンのバイクがまた途中でエンストしたらしく1時間以上足止め。
撤去中の即席堤防で泥まみれ、まさに一昔前のプノンペンばりの市内に戻り、大渋滞の中なんとか民間車検場に辿り着き、その後ナコーンサワン鉄道駅近くの親戚宅に車を置かせてもらい、かろうじてミッション完了。列車の発車時間に追われ食料等物資補充はなんにもできなかったけど、まぁオヤジも、いろいろお疲れ様でした。ありがとう。伝染病には気をつけてくれ。
アジアハイウェーかろうじて貫通しましたが、まだディチャー橋は片側通行。市内に入ったとたん、とにかく渋滞がひどくてビビる。
このところものすごい速度で水位が下がっていき、水位にあわせた壁磨きなどの掃除に追われて忙しい。水際の境界線などは30分で明確な違いが分かるくらいの速度で水が引いていっている。
途中のチャイナートのダムが今どう機能しているのか分からないし、途中分散もされ蒸発もするだろうけど、基本チャオプラヤに沿って海に向かう、これらものすごい量の水。
本来川文化というものは、下流に流して忘れ去るのが常套手段だと思うけど、今回ばかりはご愁傷様というしかない。2ヶ月前は正直、バンコクも公平に浸かれ!と思ってたけど、ここまできちゃうとね・・・。
バンコク周辺都市部のみなさま、サンダル親父同様、病気にはお気をつけください。
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