川が蛇行している、そのベンド部の頂点に水門は位置していて、当然その前は深い。
5メートル平均で続いてきた水深が急に12〜3メートルへ。そしてカーブが進むにつれて土砂が堆積。岸際の最浅部は1メートル弱と、かなり急なカケアガリ状態になっている。
とにかく底の起伏が激しくて、流れのヨレができやすい、特々Aポイントである。
岸際にべったりボートをつけて「流れがあたる土手」をダウンで狙いながら、少しづつ下っていく。しかし大本命ピンスポットでもあたりがない。
おっかしいなぁ〜。ココはたいがい付いているハズなんだども・・・。
と、三平君風につぶやいてみたり。
その時
「あぁ!魚紳さんっ・・・いやFさん! ボイルだ、ボイル!ビィヤオのボイル!」
50メートルほど先のボサに覆われた岬の先端部で、沖と岸際を前後しながら激しく捕食。小魚がはじけ飛ぶ。
ここ数日の連戦でもまったく見なかったボイルが・・・今季初お目見えのビィヤオのボイルがこのタイミングでおこるとは、あきさん、やっぱ何か持ってる?
当然じわじわと距離を詰めていき、キャスト。
キャスト。
キャスト。
う〜む。
あれやこれやで試すが反応無し。
しかもあれほど激しいボイルがピタリと止んでしまった・・・。
近づき方がまずかったのは確かで、キャストしながらの操船が不可能なひとり釣行ではやらない、沖側から流しながらポイントめがけてキャストするポジションをとろうとしたのだが、流れのヨレにボートがはまってしまい、ややポイントに近づきすぎた感はあった。でもいままでこの釣りでそこまでプレッシャーにシビアになったことはなく、2メートル先のボイルをフィリッピング状態で釣ったこともあるくらいなんだけれども・・・。
しかしこれだけピタリと、急に静かになっちゃったということは、魚に何らかのプレッシャー、違和感、危機感を感じさせてしまったと考えるのが妥当だろう。
むずいなぁ、ボイルの釣り・・・。
そしてここで午前の部終了。
昼休憩の後、午後2時スタート。
船着場に下りてガソリン入れたり等、ボートの準備していると、となりの家の排水パイプ前で(多分ビィヤオの)ボイルがおこっていたので、一応そこからやってみる。
隣の家は、アジなどの海の小魚をこの周辺のナマズ養殖の飼料として扱う業者で、その作業場から流れ出る排水にはアジエキスたっぷり。このエキスが大好きな川の小魚が集結し、その小魚を狙うビィヤオも集結しているというわけだ。
しかしこの排水パイプ、川に浮かべた養殖いかだの奥にあり、いかだを繋いだロープだらけ、おまけに+はえ縄漁のロープだらけで、きわめてやりにくい。
なので僕自身、家の隣の鉄板ボイルエリアでありながら、あまり狙ったことがないし、ポイント探しという面でも面白み、ゲーム性、たとえ釣れても満足度にかなり欠ける。(たまに地元タイ人が釣っている)
そこをざっと攻めた後、そのまま流れにボートを乗せたまま、ここナン川に数多く浮かぶ、養殖いかだ際を狙っていく。
この養殖いかだの後端部も、ビィヤオはじめ、ナン川のルアー釣りでは定番のポイントである。養殖魚に与えた飼料が後端部の反転流にたまり、小魚を寄せているのだ。
しかし養殖いかだポイントもすべて不発。結局午後3時には再び鉄板ポイント、その1へ向かっていた。
特Aポイントである一つ目の岬は手漕ぎプラボートのエサ釣り親子が陣取っていたので、仕方なく朝釣った同じ場所へ。
まぁ相手は回遊魚(とあえて言いきろう)。少し時間をおけば新しい魚が入ってくる可能性はある。
ボートを係留し、もくもくとキャストするあきさんの後姿を眺めているうちに、普段こんなにたっぷり釣りしないぼくは、ふと集中力が途切れちょっとボーッとしてしまっていた。そんなぼくをたたき起こす、「きた!きた!きたで〜」という声!

サイズアップ達成。
ボート際でしぶとい反転ファイトを見せるなど、なかなか強い魚でした!
とにかくロングビルシャッドのヒラウチばかり勧めていたのですが、いつの間に・・・のシンンキングペンシル。

NORTH CRAFTというかなりアーティスティックなブランドのBMというルアーらしいが、密かにシンキングペンシルの表層テロテロ巻きとは。オヌシ、ヤリオルナ〜。
その後、さらに再び鉄板2へ巡回。
するといました、やってました。はじけ飛ぶ小魚、昼下がりの花火。再びビィヤオのボイルです!
朝の失敗を踏まえ、こんどは岸際土手沿いにすこ〜しづつ、ジワリジワリと近づく。ボートではあるがイメージはホフク前進だ。
そしてあきさん、キャスト!
ルアー着水!
バシャッ!
「トップできた〜!」
マジですか〜。シンキングペンシルならまだしも、いくらなんでもトップはやりすぎですぜ〜、あきさんよぉっ。
と思ったら、コイツでした。

スーパー外道、カスープ!タイ・ルアーフィッシング界の超2軍!逆光の中、キラリ輝く君の勇姿。あえてこの写真を選んでみたよ!
しかしこのときは、冗談を言って苦笑いを浮かべている場合ではなかった。
この1匹によって、またもあんなに激しいボイルがピタリと止まってしまったのだ。
もしかしてさっきのボイルは今釣れたカスープのもの?
イヤ、違うと思う。100%の自信はないが、捕食時の、あの小魚の飛び散り方は下方から垂直方向に、しかも群れ全体めがけての体当たり反転バイトだからこそ。
明らかにカスープのナブラ(コイツの場合、集団攻撃が多いのでこの表現が合う)とは違う・・・と思う。
またしても、やられたぞ、ボイルビィヤオ!
そして午後5時を迎え、みたび鉄板1ポイントへ。
巡回、巡回、また巡回である。これが効率的な回遊魚の釣り方!
そして結果論ではあるが、流れが良くないせいでむしろポイントが限られ、さらに効率が良くなっているという考え方も・・・。
さっきのエサ釣りボートはいなくなっていて、エリア一帯貸切状態。
定番、本命、実績、すべてのポイントを含め、ゆっくりとボートを進めていくと、キタッ!
ガツッという今日一番の強いアタリがあったらしいが、残念ながらノラず。
このノリの悪い魚で、今日いままで100%のフっキング率を誇っていたあきさんであったが惜しい!
しかもルアーはバグリー、スモ−ルフライシリーズのブル−ギル!
これはホント惜しい。この懐かしのバスルアーでビィヤオをやっつけていれば間違いなく、当HP掲示板の「青春バスルアー」スレのネタにできてたのにっ。
そのバルサボディの後部にはガッツリとビィヤオのりっぱな歯型がついていました。みたびサイズアップだったかも。いや、残念っ!
そして暗くなるギリギリまでさらにがんばってみたものの、先ほどのバイトを最後にあきさん本日の川釣行、終了なり。

流れを釣る釣り師を後から見る。
ぼくにとってもいろいろタメになる充実した釣行でした。あきさん、お疲れさまです!
そして、この写真の少ない長文記事を最後まで読んでくれた方々もお疲れさまでした。
書いた僕もそうとう疲れたよ(笑

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