戦友としさんが今年もシャドーを釣りにやってきた。
しかし今回は一人ではなく、凡百の無名釣ガイドのぼくがちょっと緊張する同行者がいた。
さぁ誰でしょう?
なんと、としさん、あの
テンリュウ会長、塩澤 美芳氏を連れてタイにやってきた!
当然「ちょっと」ではなく、「ものすごい」プレッシャーであったのだが、せっかくのタイ旅行、肩のこらないタイらしい休日を・・・と、なるだけ自然に接しようと心がけた結果、やや態度が図々しく感じられたかもしれないことをここで会長にお詫びしておきます。
とはいえ、実は随所でぎこちなさを露呈するぼくはまさに「佐々木課長」であったことも書き加えておこう(今回ハマちゃん=としさんのいろんな意味でのスゴさも実感しました)。
結果からいうと、カオレム(禁漁区外)で会長にママシャドーを釣ってもらうことはできなかった・・・。まったくヘボガイドである、あぁ、自己嫌悪、い、胃が痛い・・・。

カンチャナブリ県、唯一の画像が橋観光写真・・・。こんなはずじゃなかったんだけど。
そしてカオレム後の予定は、ある意味タイの釣りシーンを語る上ではずせない、メコン大ナマズ釣堀
ブン・サムラン。
併設のショップ「セブンシーズ」に行くと、当然のごとくスタッフは会長大歓迎モード。
テンリュウ社とかかわりの深い某ブランドのロッドがずらり並んでいたり・・・・。
カオレム禁漁区に試し釣りに行っている(←ふざけるな!)オーナーに代わり、必死で会長に自店を売り込むブンサム・オーナー嫁氏との会話を通訳しながら思った。
この普段のぼくには決して見せたことのない嫁氏の好態度・・・。やはり人間とは凡百ではだめなのだ!無名ではだめなのだ!がんばれ、オレ!まだまだ時間はたっぷりあるぞ!
それはさておき、さっそく釣り座を決め、釣り開始。
と、そこでいきなりの豪雨・・・。
知ってますか、みなさん?強い雨が降るとナマズ君たち、一気に沈んじゃって低活性モードにはいることを・・・。
厳しい時間が過ぎる。
としさんからは終了時間が残り少ないことをせかされる。
あまりの釣れなさにとうとうとしさんもツアコン化・・・。
ばっかん内のエサも残り僅か。
しかし、このままノコノコ帰れるか??
会長はタイに釣りをしに来たんだ。営業に来たわけじゃない。
またカオレムを含めた、この貧果をブンサム・オーナーに知られようもんなら、ぼくはまさにクズ。凡百の紙クズ扱い間違いなしだ。
なんのためにいままでここブンサムで幾度も苦汁をなめてきたんだ!?過去ぼくとブンサム貧果を味わったお客さんはみな無駄死にか!?
と、その時雨が小降りになってきた。そして晴れ間もちらほら。ナマズ君たちもぽつぽつ表層へ。ただそのライズの位置はかなり遠く、相当の飛距離が必要だ・・・。
しかし明らかに魚の活性は上向き。少しづつ広がる太陽の明かりとともにライズは増える。
今しかない!紙屑から美しいドブネズミへと進化するチャンスは今しかないんだ!
時間がもっとあれば当然、会長にキャストから、いやもっと前段階のえさ練りからやってもらうはずだったが、なにしろ時間がないから仕方がない
ぼくが手にしたロッドは「
テンリュウ Spike Tuna SK802H−80」
ツナロッドをパン団子キャストに・・・。テンリュウ社には悪いが、はっきりいってこれ以上のブンサムロッドはない!そのトルク、テーパーはもとより、とくに8フィートという、小屋の屋根を気にせずブン投げれる絶妙な長さ。
そして去年のアンダマン釣行時におけるナン川でのGTポッパーキャスト練習も、ここで役に立った。となりの小屋のタイ人も真っ青なぶっとび団子で、プラーブックどものライズを直撃だ!
この人生で、そう何度もないと思われる最高のワン・キャストが決まった・・・。
着水後すぐにバイト。いままでの沈黙が嘘のよう。
ここからは会長ファイトの出番だ。
このファイト、ロッドのきれいな曲がり。そしてロッドの調子を吟味するような余裕フィト・・・。みんな、会長の年齢知るとびっくりするよ!灼熱下の稚魚ボール撃ちも含め、うちのツアーにおける最高年齢記録、あと20年は抜かれないでしょう。
そして例によって小屋の柱に入り込もうとするナマズ君も事無くいなし、無事ランディング。
会長の口からは「すばらしい共同作戦」
その表情は釣り人が「いい魚」を釣ったときの嬉しさに溢れている。
感無量。
ぼくはとびきり美しいドブネズミになれた・・・。

個人的に100キロのプラー・ブック100匹よりもうれしかった、この1匹。
そして会長自ら提案の
贈呈式撮影。
会長私用ロッドにのみ張られるオリジナルロゴ、人魚ちゃんが輝くスパイクロッドをこの手に・・・。
ブンサムランで使うのはもったいないけれど、ブンサムランで使うことこそ「筋」のような、なんだか微妙なポジションになった「テンリュウ Spike Tuna SK802H−80」、なんにしても大事に使います!記念品などにはぜず、会長同様、生涯現役でガンガン釣りまくりますよ!
家に帰って、懐かしのスピード・スティック 6−16HOBBと並べてみた。
中学生の頃、雷魚釣りで使っていたロッドで、タイには持ってきていたが、正直現行で使っていないロッドをわざわざカオレムに持って行くのはイヤラシイ感じがしたので会長に見せることはできなかった。
しかし「あれは私の青春をつぎ込んだシリーズ」という言葉をきいて、持っていかなかったことを後悔した。
なんにしろ25年の旅を経て出会った2本だ。
あぁ再び感無量。
会長オリジナルロゴ入りスペシャルロッド。
そして最後に
会長の「釣り人魂」は
永遠に不滅です!

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