3月18日、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第237回定期演奏会におけるバルトークのオペラ「青髭公の城」出演が無事終了しました。
前半プロ・コダーイ「管弦楽のための協奏曲」のあと、いよいよ「青髭公の城」。昨年夏にハンガリーのシャーロシュパタックという町で、エリカ・ダッロシュという名コーチに指導を受けた後、ひたすら譜面と取り組み、本番を迎えました。
なんといっても初体験のハンガリー語の歌唱は骨が折れました。自分の青髭パートや相手役ユディットの台詞を、一旦日本語を経由しないで理解し表現できるまでには、根気をもって練習する他ありませんでした。(また急遽、朗読の吟遊詩人役の録音も兼ねることになり、それもまた一苦労。)
それでも何とか、本番を迎えられたのはマエストロをはじめいろいろな人に助けられたから。また、このバルトークの傑作と深く付き合うのは、なかなかに興味深い体験でもあり、いくら譜面とにらめっこしても、またいくら他人の録音・録画を聴いたり見たりしても、あきるということはありませんでした。
本番のできは、まずまず。個々の難関は練習よりうまくいったのですが、それは練習が足りていなかったからかもしれないし。声そのもので言うと、前日のリハのほうが良かった気が・・・。
本番の演奏中に、歌いながら自分の人生を省みることのできる、と言う意味ではシューベルト「冬の旅」に匹敵する難しさ=楽しさがある作品。
また、近いうちに歌えたらいいな、と思いつつも、次の本番ワーグナー「パルジファル」ティトゥレルと「ワルキューレ」フンディングの準備に取り掛かります。

写真:ハンガリーの自然