東京オペラの運営下にある東京オペラグループは、9年間にわたりオペラ歌手研鑽の場「勉強会」をおこなってきましたが、本年3月の修了公演「フィガロの結婚」でその活動に区切りをつけます。
この9年間の「勉強会」で多くの参加者、講師、スタッフ等と関わり、「勉強」できたのは私自身だったと思います。全員に感謝しています。ありがとうございました。
さて、東京オペラでは勉強会に代わるあらたな「何か」を作ろうとし、私・小鉄の頭の中ではかなり組みあがってきましたが、それに形を与えることがどうしてもできないでいます…完成させるには、参加してくれる若いオペラ歌手の力が必要なのです。
オペラ歌手の成長には実習が必須です。しかし既に完成された「実習カリキュラム」に組みこまれることにより、失いがちなものがあります。それはエキスパートなオペラ歌手たらんとする技術習得への熱意と、創造的な芸術家としての自覚です。
完成したカリキュラムを持てばそれは研修施設となり、そこに広い意味での経済活動も生まれます。しかし私は、東京オペラにおいてはそのような研修でなく、若いオペラ歌手一人一人が自分の道を歩いていけるよう、導いていく(そして私自身も導かれる)ことがしたいのです。
…ただ、あまりに抽象的な概念のみでは、皆さんにとって「取っ掛かり」がないですね…。ですので、まずは、以下のようなことを手始めにやってみようと決めました。
1.名称 東京オペラ 「スタージュ」
2.参加資格 オペラ歌手志望
3.費用 無料 但し実費別
4.募集人員 若干名
5.期間 不定期
あはは。これではかえって怪しいですね。説明します。名称「スタージュ」(Stage)はイタリアでも用いるフランス語で、「研修」を指します。参加資格の「志望」の意味はもちろん「熱意」と「自覚」です。費用は無料。つまり授業料は不要です。できるだけお金をかけずに運営します。いわゆる発表会は特に設けません。優秀な人には東京オペラや東京オペラグループの公演等に出演を依頼します。募集人員は、その都度参加者と私が相談して決定する演目に必要な人員です。期間はその演目習得に必要な期間です。数ヶ月から半年くらいでしょうか。演目ごとに複数のグループが並行して研修することもでてくるでしょう。練習日等は演目ごとに決めます。
垣根を区切った組織を目指していません。明確な目標を中心に掲げながらも、いつでも参加・離脱可能な、ゆるやかなコミュニティーです。
質問・参加希望等、遠慮なく:
メール info@tokyoopera.com
携帯電話 090-8850-5859 小鉄和広
まで。