先日、山形県へ講演に行きまして、翌日の日曜日は地元新庄市のキリスト教会で礼拝をしました。
そこでお昼をいただいた時にたまたま知ったことですが
山形大学の学生さんが、救急車を利用したいと思って119番へ電話をかけた後、「タクシーで行ってください」という結論になり、亡くなられた
そのような悲しい出来事があったのだそうです。
亡くなられたご本人のご冥福を心からお祈りいたします。
また、ご家族の方々のお心を思うと、本当に言葉がありません。
ネット上にいろいろな記載はありましたが、あいにく新聞の記事は見当たらなかったので
感想のみここに記載します。
「コンビニ受診を控えましょう」という言葉は、医療者の立場からすると簡単には使えない、あるいは使わない、というドクターの意見をよく聞きます。
軽症だと本人が思っていても、まれに重篤な病気だったということがあるからです。
心筋こうそくの患者さんが「ちょっといつもと調子が違うから」と、自分で自動車を運転して病院に来られたというお話も伺ったことがあります。
そのように、自覚症状から病気の重度を図ることはとても難しいし、危険なこともあるのだそうです。
119番をした時のやり取りは、当然電話です。
お互いの顔も見えないし、本人の症状把握が病気の重症度と一致してない場合もあるので
救急車が必要かどうかを判断することは大変難しいと思います。
さらに、電話をかけてきた人の周囲に、誰かいればよいのですが
一人だと急変した時に対応のしようがなくなってしまいます。
この出来事を通じて、救急の出動要請があった時の対応について、今一度考える必要があると感じました。
また、「コンビニ受診を控えましょう」という時のコンビニ受診とは何を指すのか。
私たちも丁寧な説明を加えて、言葉を使わなくてはならないと思いました。

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