山武郡市薬剤師会
山武圏域連絡調整会議高齢者部会
さんむ医療センター
の共同開催による
「医薬と福祉がつながる座談会」に行ってきました。
保健医療職、薬剤師、福祉職の皆さんが集まって
それぞれの職種・事業の説明を聴いたり、
多職種がグループに分かれて、それぞれの職種について聞いたり相談したり
意見交換をする時間がありました。
私も1つのテーブルに入って、看護師さん、薬剤師さん、介護職の方々と一緒にお話をさせていただきました。
一緒にお話をしている中で皆さんが感じたのは「薬剤師さんができること」があまり知られていないということでした。
私が印象に残ったのは、くすりが残ってしまった時のこと。
私の義父もそうでしたが、高齢者の方は、処方されている薬を部分的に飲み忘れたりするので
ある薬がたくさん余ったりします。
そうした時に、どの薬が何錠残っているかをチェックして、主治医にそれを告げて、処方錠数を変えてもらっているのですが、
独居の方など自分で管理しきれない方はこれが億劫で
気が付くと特定の薬だけが大量に余っているといったことになります。
「こんなに薬が余っているんです」と薬剤師さんに相談すれば
薬をチェックして、主治医に連絡を取ってくださるし
飲み忘れや飲み残しが心配な患者さんの場合は
主治医に頼んで「一包化」を指示してもらうこともできます。
もう一つ印象に残ったのは、
医師は薬剤師ほどに薬の副作用に神経を使っていないということです。
知らないわけではないが、あまり重要視していない、という感じ。
これは私も経験がありますが、どこか具合が悪いと医師に話すと
「では、この薬を出しましょう」と
新しい薬が追加されます。
今まで飲んでいた薬の副作用はどうか、とか
他の科で処方されている薬はあるか、とか
市販薬を使っているかどうか、とか
そういったことを医師に聞かれることはまずありませんでした。
私ぐらいの年齢だと、自分の方から話すことができるだろうから、医師もあえて聞かなかったのかもしれません。
(もしかしたら、心の中でチェックしてくださっているのかもしれませんが、患者に聞かないとわからないこともあると思います)
薬剤師さんは、日ごろ薬局に来るお客さんが
「最近調子が悪くって」
と話されるときは、まずは、薬の副作用や相互作用をチェックする、とのことです。
複数の薬を使用すれば、必ずそこには相互作用はあるのだから、と薬剤師さんは言っていました。
私は、薬を処方する方々の、その辺の認識が甘いので、
高齢者がたくさんの薬を飲むことになっているのではないか
とも思うのです。
そういう意味でも
「複数の診療科・医療機関にかかっていても、お薬手帳は1冊にしてくださいね」
と声をかけて
診察の時にはお薬手帳を必ず見るようにすることが必要だと思います。
そして、これは医療職だけでなく、介護職の人も知っていて、何かにつけて高齢者の方やご家族に伝えていくとよいと思います。。
介護職の方からは、在宅のサービスに行ったときに薬を飲むお手伝いをしようとしても
認知症の方など、薬を飲む理由を理解できない人に飲んでもらうのはとても大変だ、と言うお話がありました。
朝・昼・夕にそれぞれ飲む薬が煩雑で、分かりにくいというお話もありました。
そして、そういうことを薬剤師さんに相談してもいいんだ、ということもあまり知られていなかったようです。
先日の、認知症の講演会でも話題になったのですが、
患者や家族や介護職の人が、くすりのプロとして薬剤師さんに相談出来ることを知って、相談をし
薬剤師さんが、くすりのプロとして、主治医と対等な意見のやり取りができるようになるといいなと思います。
また、介護職の人たちは、日ごろご本人がどのような生活をしているのかを良くご存知です。
その情報が、医療を受けるときにとても大切になってきます。
また、介護職の人たちの力を借りないと、薬を飲むことも難しい人たちがたくさんいます。
やはり、ここでも対等な意見や情報のやり取りができるようになるといいなと思います。

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