2月26日は、第5回になる「くらしの講演会」でした。
今回のテーマは、「みんなで支える『こころの育ち』〜不登校も、引きこもりも〜」
講師の先生は 久里浜医療センター 精神科医師の 杉原正子先生です。

(左に立っている方は、手話通訳者です。二人で交代しながら、3時間弱の講演会の間、通訳をしてくださいました)
先生がお勤めの久里浜医療センターでは、思春期・青年期神経科外来という外来があり、
この専門家はかなり少ないのだそうです。
なぜなら、精神科医は研修の中で小児を診療することが義務ではないし
小児科医は主に体を見る医師なので
児童・思春期の精神医学の専門家は日本だけでなく世界的にも極端に不足しているのだそうです。
そこをふまえた上で、
大切なのは当事者が「病気」なのかどうか、よりも
「誰が何で困っているのか」
「誰が何をもっとよくしたいと思っているのか」だとおっしゃっていました。
青少年には3つの要素が必要だというお話や、
35時間ルール等
私たちがこころの育ちを考えるうえで手がかりとなるお話をたくさんいただきました。
講演の後は、参加者が考える時間です。
ワークの方法は、以下のファイルをご覧いただくとよくわかりますが
n.pdf
簡単に言うと、不登校や引きこもりの方々やご家族と、近所の人がどんなふうにお付き合いしたらいいのかな?
と考えるとっかかりを掴もうというものです。
皆さん、ご自分の紙に「どんな言葉をかけるか」を書いてくださいました。
もちろん、「言葉をかけない」もアリで、その場合は理由を書いてもらうということで。
相手の気持ちを考えながら、皆さん実に真剣に考えてくださいました。
その後、何人かの方に
自分が考えた言葉と、どうしてそう言おうと思ったのかを語っていただきました。
それを受けて、杉原先生の方から「こういう場合は、こうした配慮があるともっと良くなる」というアドバイスが。
例えば、不登校の子どもさんと近所の方がコンビニで偶然出会った時に
「A君、おじさんのことを覚えている?」
って話しかけると、相手が「誰だっけ?」って思うこともあるので
「A君、おじさん、Bのお父さんだよ。小さい頃一緒に遊んだね。」
って、自己紹介をしてから問いかけたほうがいい。など。
会場にいる人たちが、肩の力が抜けるとともに、
相手の方の気持ちに沿った言葉を考える暖かな雰囲気が生まれていきました。
そうなんだよね。
まちづくりとか、地域で支えるって
言葉ではよく聞いたりするけど
それって、結局、日常生活の中の、暖かなやり取りなんだよね。
と、何度も思いました。
講演会終了後には、
今ご自分のお子さんが
学校に行く日、行かない日があって
親子ともども困っている、
という方が私のところに来られました。
自分も不登校児の母親OGなので、
その方のお気持ちや、今揺れている子どもさんの気持ちが
なんとなくわかる気がしました。
私たちの地域には、長年活動している不登校児とその家族の会があります。
今後は、
その会と今悩んでいる方々とをつないでいく取り組みも
東金市社会福祉協議会がしてくれることになっているので
この講演会がいわばスタートラインのような感じです。
私も母親として、
いろんな方に支えていただきながらその時期を過ごしましたが、
考えてみると
子育てって
きっと親や先生だけでない、いろんな大人の力を借りてやっていくものなのだと思います。
講演会の様子は、クローバーで御紹介する予定ですので、楽しみにしていてくださいね。
最後の写真は、講演会の後のコミュニティづくり(笑)
おいしいお料理をいただきながら、楽しく交流しました。


0