さんむ医療センターにきている若手の研修医を囲んで 市民も一緒に考える会
若手医師を囲む会
が開催されました。
今年はさんむ医療センターで研修をするドクターが増えまして、
地域医療研修枠で2週間ずつの研修をされた初期研修医の先生方と
3か月ずつの研修をされた後期研修医の先生方
を囲む会を
年間で9回行いました。
第1回は2011年に開催し、今回は通算で23回目になりました。
初期研修医の先生を囲む会では、一般市民と先生とが一緒にお茶をいただきつつ、
先生ご自身が医師を目指した動機や、日ごろ私たちが医療を受けながら感じていることなどをお話しする茶話会のような雰囲気で行っています。
その様子は
こちらからご覧いただけます。
後期研修医の先生を囲む会では、毎回テーマを決めて、研修医の先生がレクチャーを行い
参加した市民と病院の職員がグループワークをします。
昨日は後期研修医の先生による
「市民のための疫学入門〜正しい健康情報のひも解き方〜」でした。
疫学研究って、今まで何度か耳にはしていたのですが、具体的にどのような研究なのかわからなかったので、私自身もとても興味を持って参加しました。

講師の先生は、亀田ファミリークリニック館山からお越しの高橋先生です。
疫学研究を平たく言うと
まず、「AとBの関係を明らかにしたい」と目的があります。
それを明らかにするために
調査対象を二つのグループに分けて
それぞれのグループの条件をなるべく同じにして
片方はAなし 片方はAあり
そしてどのようにBという結果が表れるか?
を調べる
そんなイメージのようです(違っていたらごめんなさい)
例えばタバコと肺がんの関係を調べたかったら、
タバコを吸うか、吸わないか、以外はなるべく条件(年齢、性別などなど)が同じグループを作って
タバコを吸うグループと吸わないグループのそれぞれの肺がんの発症率を調べます。
講師の高橋先生は、パワーポイントを上映しながら説明をして
参加者の質問を受けながらホワイトボードにそれを整理して
と、参加している私たちが、まさに「参加している」という気持ちになるように
お話を進めていました。
そしてグループワークでは、
仮に「ピーナッツの摂取と糖尿病の因果関係」を調べるとして
このような二つのグループの設定でちゃんとした調査になるでしょうか?
というお題のもとに
グループの設定シートを見ながら、考えました。
シートには、二つのグループの集め方や年齢層、男女比、職業、など様々な情報が書かれています。
シートに書かれていた例題は、
「このままでは正確なデータは取れないんじゃないの?」
という結論に至りましたが、
どう改善したらよいかまで意見が出て、ディスカッションは盛り上がりました。
これですぐに、「あなたもわたしも疫学研究者!」とは思いませんが、
巷にあふれる健康情報に接するときに、
「この根拠はなんだろう?」って、ちょっと立ち止まることができそうです。
最後に、先生から
信頼できる研究データを集めたサイトを教えてもらい、
会場からは
「私は自分の体に良いと思うことを、信念をもってやっています」という参加者の発言を聞き、
結局、情報を選ぶのも、どのように生かすかを決めるのも、自分次第なのだなあと思いました。
これで今年度の若手医師を囲む会はすべて終わりましたが
どの先生方も日常の診療でお忙しい中、準備をして当日もわかりやすいお話をしてくださって、本当に感謝です。
来年度もこんな素敵な研修の場が作れるといいなと思っています。

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