新潟県村上地域救急医療講演会で
地域医療を育てる会の取り組みについて、お話をさせていただきました。
お客様意識ではなく当事者意識を持つことが大切。
お互いの情報を得ること、皆で対話することが、意識改革になります。
市民の意識、医療者の意識、ともに変わります。
出来ること、出来ないことを知り、受け入れる勇気を持つこと。
とお伝えしました。
医療資源の少ない地域の医療従事者・行政の方々の心意気を感じた講演会でした。
市長さん、市内の総合病院の院長先生の情熱を感じ、私自身のモチベーションにも繋がるとても良い機会となりました。
村上市だけを見ると、全国最低レベルの提供量という厳しい状況。
村上地域の発表者はお二人
・村上市消防本部の方は『救急車って何のためにあるの?』
をテーマに村上地域の救急の現状を講演されました。
『救急医療は限られた医療資源』
『救急車を本当に必要としている人に届けたい』と強い思いのご講演でした。
『救急車って速く運んでくれそうですよね。ですが、今は搬送時間が延びて速く運べない乗り物になっています』というコメントが印象的でした。
・院長先生は緻密なデータを基に(県内の他の医療圏データや医療資源の年次推移)、
村上地域の救急医療の疲弊の説明、まとめとして、
『地域医療、救急医療、僻地医療、は特別な問題ではない』
『生き抜く地域の総合力が重要』
と発表されました。
医療者・行政の様々なご努力と、住民活動を熱望する医療者・行政の姿がとても印象的でした。
育てる会の取り組みが住民活動に繋がればと思います。
講演後の質疑応答の中では、会場から村上の具体的な救急の現状について、より深い質問が出ました。
質問に対して、丁寧に分かりやすく説明をされる演者のお二人の姿がすばらしく、
また、演者の院長より
・村上の医療が疲弊している現状を伝える場がなかなかないので、もう少しオープンに
・何が出来て何が出来ないか、を伝えること・出来ないことを出来るようにする為にはどうすべきかを皆で考えることが大切
・医師を育てる、地域を育てる、という目線、地域住民の目線で地域を見ているのは素晴らしい
・医師は医療情報ばかりを伝えようとして患者と向き合えていないケースがあるので傾聴を意識したい
最後の司会の方の
『今日ご参加の、講演を聞かれた皆様がこの地域の宝です』、というコメントが印象的でした。
また、村上市の救急医療キットの説明もありました。
かかりつけ医・薬・既往歴・緊急連絡先などの情報を筒に入れ、冷蔵庫に入れておく、というものです。
自宅で具合が悪くなり、救急隊が駆け付けた際に、すぐに医療情報を獲得し、搬送の医療機関に伝える仕組みです。
(玄関の中にシールを貼って、キットは冷蔵庫の中に。
キットの保管場所を決めておかなければ、どこだどこだ?となってしまうためです。)

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