皆さん、長野県の保健補導員さんのことを知っていますか?
実は、育てる会の関係者の間では、この保健補導員さんが気になっている人が沢山います。
長野県の保健補導員さんは、
「自分たちの健康は自分たちでつくり守りましょう」をスローガンに、
保健師さんとともに健康づくり活動を行っています。
実は、2011年から2012年にかけて、「コミュニティのちから」という、長野県の保健補導員などについて取り上げた本を題材に、育てる会を中心に
読書会を開催しました。
この本は、ソーシャルキャピタル(社会関係資本と訳され、社会の繋がりや絆のことを指している。)と健康の関係を研究したもので、
日本的なソーシャルキャピタルの代表例として、長野県の保健補導員さんを取り上げています。
この保健補導員の始まりは、昭和20年代、結核や赤痢などの感染症に対する衛生活動を行う組織として立ち上がり、
その後、脳卒中などの生活習慣病への対策として、減塩活動などを行ってきました。
今では、長野県内のほとんどすべての自治体において、
1万人以上の保健補導員さんが、日々住民主体の健康づくりを実践されています。
読書会に参加したメンバーは、長野県のこの素晴らしい保健補導員制度に、ある意味、憧れのような感覚を持っていたのでした。
そして本日は、なんとその憧れの保健補導員さんの方々が、それも地区の会長や副会長さんたちが集まる研修会で、
恐れ多くも「地域医療を守るために住民が出来ること」と題して講演をさせて頂きました。
講演では、育てる会の活動内容をご紹介し、
地域包括ケアシステムにおける地域医療においては、住民主体の健康づくり活動が非常に重要であること、
今後は医療を自分事として捉え、人生の最終段階における医療との係わりについて考えてほしい、
といったお話などをさせていただきました。
もちろん、「保健補導員リスペクト」の気持ちも、ちょこちょことアピールさせていただきました。
また、講演会前後には、保健補導員さんや事務局を担っている国保連合会の方々などともお話をさせていただき、大変勉強になりました。
講演の最後の質問では、
「保健補導員について、理想的な取り組みと思われているようですが、
自分は、保健補導員をやりたくなかったけど、断り切れずに保健補導員になりました。
現実には、保健補導員のなり手を見つけるのも難しく、
あなたが話されたような理想的なものではないです。」
と、ご意見を頂いてしまいました。
でも、このような本音の意見をお聞きできたのはとても良かったですし、
いやいやでも、しょうがなく保健補導員になってしまうということも、
長野県の保健補導員制度の素晴らしさの一つであると感じました。
また、来賓挨拶の中で、
「コミュニティの力」の著者の一人である今村晴彦さんのことが紹介され、
長野県の保健補導員さんたちに対して大きな影響力を持っていることもわかり、
自分のことではありませんが、とても嬉しく感じました。
超高齢社会へ向かう中で、素晴らしい実績を持つ保健補導員さんたちが、
今後はどのようにご活躍されていくのか、引き続き千葉県から注目したいと思います。

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