高齢出産リスク知って
少子化対策で県
大学生向けセミナー拡充
県内の若者たちに高齢出産のリスクや妊娠適齢期についての知識を持ってもらおうと、県が大学生を対象としたセミナー開催に力を入れている。
少子化対策の一環で、昨年度は県内5大学で実施、本年度も8大学で予定する。
人生の大きな転機となる結婚や出産のタイミングについて男女ともに考える参考にしてもらい、
晩婚化の歯止めや出生率向上につなげるのが狙いだ。
一般に、高齢での出産は母体が高血圧や糖尿病などの合併症を引き起こす確率が高くなる。
また、年齢とともに女性は卵子の質が低下、男性は精子の数が減るため妊娠しにくくなるという。
セミナーではこうしたリスクを学び、それぞれの人生設計に役立ててもらおうと国の
「地域少子化対策強化交付金」を活用し昨年度初めて開催。
女性が多い神田外語大学(千葉市)など5大学に医療の専門化を招いて行ったところ、
受講者からは
「少子化や出産の時期について考えるきっかけになった」
等の声が寄せられたという。
県は本年度、単独事業として男子が多い大学でも実施する。
6月には千葉工業大学(習志野市)を会場に周産期医療の専門家が日本の生殖医療の現状などをレクチャー。
今月13日には川村学園女子大学(我孫子市)でも開催する。
日本産婦人科学会など9団体はことし3月、妊娠適齢期について学校教育で教えるよう求める要望書を有村治子少子化対策担当大臣に提出した。
県の担当者は
「(結婚・妊娠は)個人の意思を尊重すべき」
としたうえで、
「セミナーは社会に出る直前の大学生にとって役に立つ」と話しており、
来年度以降も継続する方針。
(2015年7月5日 千葉日報)

0