昨年の3月11日に発生した東日本大震災。
沢山の医療・保健の専門職の方々が、被災地に入り、様々な支援が行われました。
以前から交流のあった自治医科大学の同窓会の皆さんが
震災の支援プロジェクトを立ち上げ、育てる会からも心ばかりの資金援助をさせていただきました。
自治医科大学医学部同窓会東日本大震災支援プロジェクトは
半年間にわたって、自治医科大学を卒業したドクターを被災地に派遣し、
そのうちの約5か月間は、臨床心理士のチームも一緒に被災地に入っていた、とのことでした。
昨日、同プロジェクトの事務局である石川鎮清先生が
立派な感謝状を届けにわざわざ東金までいらしてくださいました。
貴重な機会でしたので、プロジェクトのお話を通して
被災地の医療について勉強させていただきたいとお願いをいたしました。
石川先生のプレゼンテーションをメンバーで聞きながら
様々な質問・意見交換をしました。
各地域には防災対策の組織図が行政などによって描かれていると思いますが
天災には「想定外」がつきものです。
その、だれが手を差し伸べるかあいまいな部分に
柔軟に、しかもある程度の期間は継続して対応する存在が必要なのだ、とわかりました。
そのためには、日ごろから
顔と顔の見える関係を作ること
想定外のことが起きた時に
「このことなら、あの人に相談しよう・頼もう」と思える人をたくさん作っておくこと
だと思うのです。
自治医大の同窓会のメンバーは、被災地に入るときに岩手県の藤沢町(当時)にある
藤沢町民病院(当時)を前線基地として、
そこからさらに各地域へ出向いて行かれました。
交通網が寸断されている初期のころは、
そのドクターたちの送迎を、地元の住民が引き受けていた、とのことでした。
ガソリンがない中、大変だったと思いますが
ナビが十分に効かないときでしたから、土地勘のある方でなければドライバーはできなかったでしょう。
このプロジェクトが始まるきっかけとなったのは、先遣隊として自主的に現地入りした二人のドクターでした。
このお二人が現地に乗っていくためのプリウスを貸してくださったのも
自治医大近くにお住いの一般の方だったそうです。
すでにガソリンが足りない中、何とか満タンにして、買って間もないプリウスを提供してくださったのです。
医療を支える、縁の下の力持ち。
素敵ですね。
こうしたお話を伺いつつ、あっという間の2時間でした。
今回支援をさせていただいたのですが、そのことで私たちもたくさんのことを学ばせていただきました。

2