診断の一部、看護師も
厚労省原案 診察待ち短縮に期待
医師がしている診断や治療の一部ができる「特定看護師」の導入を議論してきた厚生労働省は7日、作業部会で制度の原案を示した。
法律を改正し、床ずれの治療や脱水した場合の点滴開始の判断など「特定の医行為」を認証を受けた看護師ができるようにする。
医療の質や患者の満足度の向上につながると期待される。
この日の部会で示された原案では、5年以上の実務経験がある看護師が、国指定の研修を受け、国の試験に受かると「特定能力認証」を受ける。
医師の事前の指示に従えば、自らの判断でできるようになる。
厚労省のモデル事業として、病院や老人保健施設など20カ所ですでに、診療の一部を担う看護師が活躍している
患者の了解を得たうえで、検査の必要性の判断をしたり、医師と一緒に診察をしたりしている。
こうした看護師が増えれば、救急外来で重症度を見極め、診察の順序を素早く決め患者の待ち時間短縮につながる。
出歩くのが不自由な高齢者らが自宅で療養する場合、医療機関に出向く頻度を減らし、入院せずに療養が続けやすくなる。
看護師の業務は1948年に制定された保健師助産師看護師法(保助看法)により、
「療養上の世話または診療の補助」
と定められる。
ただ、診療の補助の範囲は施設によって違っている。
厚労省は保助看法を改正し、特定行為を看護師の能力に応じて実施できるようにする方針。
「特定行為を決めれば、認証を受けた看護師しか、それらができなくなる」など一部の医師からは反対意見もあるが、
来年の通常国会への関連法案の提出を目指している。
具体的な特定行為などについては、省令や告示で決めていくという。
(2011年11月8日 朝日新聞)

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