レコーディングエンジニア(CDの録音をする人)、歌手の安藤開が音楽を通じて出会った人々、機材、レコード、CD、コンサート・・・etcを気が向くままに記録していきます。
2009/5/4
私が24歳の時・・・
レコーディングアシスタントが慣れてきた頃だった。
RCサクセションの忌野清志郎と泉谷しげるがレコーディングに来た。ピアノ、ギター、ベース、ハーモニカを全部清志郎さんがやった。中でもベースダビングでビートルズのポールマッカートニーが使っていたホフナーのバイオリンベースを清志郎さんが持ってきて弾いた。
ビートルズのレコードのベースの音そのものだった。
後にも先にも本物のバイオリンベースを聞いたのはこの一回だった。
テープレコーダーに向かってテープ編集をしていると背後に人影を感じた。
泉谷さんだった。
俺のおしりえをポーンとたたいて、やってるな・・といって何処かへいってしまった。何かの景気付けだったのか・・・・深くは考えない。
音、演奏、歌、詩・・・特に詩にはびっくりした。
1コーラスめと2コーラスめのAメロ、Bメロの小説数が違う・・
詩が絶対で譜割のために削るようなことはありえない。
全く違和感を感じない。
すごい作業スピードだった。出来上がるとザ・バンドのようなブルースナンバーだった。自分の中に刻まれた1曲になった。
がっつきのない、卑しさのない、きれいな心の感性あふれるすばらしいミュージシャンでした。だって心がきれいじゃないと「スローバラード」なんてできないよ!

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