しかしやはり、どうやら現実的な答えは、この最後の受注者の責任に落ち着くのかも知れません。建設業界としましても、今後更に、入札時VE・契約後VE等のバリュー・エンジニアリング(VE提案)を拡大していくことが生きる道のようです。
入札時に設計変更提案を視野にいれて応札し、設計施工していくことのできる技術力と資本力・開発力を携えた請負会社しか存命できないと言うことなのでしょう。
確かに、現場着手しなければ、設計段階では予測不可能な工種もありますので、設計者に責任を負えないところもあります。請負会社が施工しながら現場に即した変更設計施工して行くことが最良の方法なのかも知れません。
視方を変えれば、日頃からの会社が積み重ねた技術の蓄積が活かされる好機なのだと思います。この時、経験工学である土木工学の真髄が問われるのだと思います。
ただし施工者責任であるとすれば、良質な設計変更提案、すなわちVE提案が可能な施工会社には、経営審査における加点や、優先的な発注指名、またはその単体工事における技術管理費としての追加計上と言った特典をいただきたいのです。
私たちのような地域を熟知し、長い間地域の負託に応えて安心を支えてきた地場の建設会社の本音です。
今後とも、行政発注機関では、相変わらず厳しい財政事情の下、公共投資の削減とコスト縮減が求られます。
私たち建設業者が受注を確保し、健全な利益を享受し、そして何よりも貴重な血税を有益に効用するために、高品質な構造物を提供して社会資本として還元するためにも、技術的な能力向上を根底に据えたマネージメント能力、そして今まで軽視してきたプレゼンテーション能力の向上を計りたいと思っています。

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