東京近郊のJR路線の一部で、2015年3月ダイヤ改正から列車本数が大幅削減されます。それについて原稿を書いて欲しいとの依頼を受け、こんな記事を書きました。
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3月のダイヤ改正で列車本数大幅削減。なぜ都内の路線まで減らされるのか?
JR路線の一部として挙がっていた路線の中に五日市線がありました。五日市線というのは、私が東京都の教員に採用されて最初に赴任した学校があり、通勤で3年間お世話になった懐かしい路線です。転勤してから30年以上、すっかりご無沙汰していましたので、路線の実態を調べるために迷うことなく五日市線を選んで取材に出かけました。
東京駅から中央線の「青梅特快」の客となり、立川からは青梅線に乗り入れ、1時間弱で拝島着。この駅に降り立ったのも久しぶりでした。ホームに発着する車両はすっかり新しくなり、八高線も電化されてディーゼルカーではなく電車になったけれど、構内の線路配置などはそれほど変わってはいないようでした。まもなく、隣の1番線ホームに五日市線の電車が武蔵五日市方面から到着するようでしたので、それを撮影して、エスカレータでコンコースにあがりました。
30数年前は狭い通路で、その割に乗り換え客でごったがえし、学校の異なる高校生同士がぶつかって小競り合いになったりするのもよくあることでしたが、広い通路に変貌し、駅ナカ・ショッピングや洒落たカフェが並び、ほんとうに拝島駅なのかと我が目を疑ったほどでした。
天井からは列車案内表示板が吊るされ、五日市線の案内板もありました。

昼間はきっかり20分毎の発車で利用しやすいダイヤです。かつては1時間に2本程度で発車時刻もバラバラ。不便で利用しづらい路線でしたが、いつの間にか都市近郊路線に様変わりしていました。ところが、この列車本数が削減され、30分おきに減便されてしまうのです。
過去に逆戻りしなければならないほど、乗客が少なく悲惨な状況になってしまったのでしょうか?ともあれ、五日市線のホームに降り、電車に乗り込みました。
電車は中央線と同じ新型のE233系で6両編成。他線のお下がり車両ばかりだった五日市線らしくありません(笑)車内は、各車両に5人から10人程度と多くはありませんが、平日の昼下がりだったら、都心の電車以外はこんなものでしょう。高校生の姿はなく、年配者や老若を問わず女性が多いようです。こうした様子は、五日市線に限らず、全国のローカル線共通の現象だと思います。空いているので、陽のあたるサイドの座席はがらがらでした。
定刻に出発。左へ大きく曲がって、最初の停車駅熊川を過ぎると多摩川を渡ります。

五日市線から眺める多摩川は、下流を渡るいくつもの路線から見える情景よりも鄙びた感じで、ずいぶん遠くへやってきたなあ、と旅行気分を味わえるものです。
やがて2つ目の東秋留に停車。かつての勤務校の最寄り駅で、本当に30数年振りに下車しました。

構内の造りなど大筋は変わっていませんでしたが、駅舎はすっかり新しくなりました。もちろん自動改札でスイカが使えます。上下線の踏切の間に駅舎があるという一風変わったシチュエイションはそのままでした。

小さな駅前広場は、30数年前と同じで、懐かしくなりました。

学校へは左方向の小道を進みました。そちらに行ってみると、道が広くなりきれいになっているのに驚きました。

ゆるやかな坂を上っていくと、視界が開け、畑が広がっているのは30年経っても変わらないようです。

学校までは歩いて20分ほどかかりました。遠かったですね。今回は、このあとのスケジュールを考慮すると、20分後の武蔵五日市行きの電車に乗らなければならないので、このあたりで東秋留駅へ引き返しました。ホームには仲のよさそうな高校生のカップルが一組いましたが、学校を早退でもしたのでしょうか?気にはなりましたが、2月なので授業のなくなった高校三年生かもしれないし、すぐに電車がやってきたので、武蔵五日市に向かいました。
つづく


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