先週、北近畿の鉄道を取材したのですが、京都から山陰本線ではなく、大阪から福知山線経由でもなく、大阪から播但線経由の特急「はまかぜ3号」に乗りました。理由は簡単、「はまかぜ」にも播但線にも乗ったことがなかったからです。
「はまかぜ」は新大阪始発ではなく、大阪始発です。新幹線からの乗りつぎであれば、姫路乗り換えが便利で速いからなのですが、やはり列車の始発から乗らなくては、というわけで、面倒ですが、新大阪から大阪まで在来線でひと駅移動しました。そういえば、いつも新大阪経由なので、大阪駅から長距離列車に乗るのはずいぶん久しぶりのことでした。

おかげで、大改装なった大阪駅も初めて見学することができました。コンコースからホームを眺めることができて、どこかドイツのハンブルク中央駅みたいでした。
香住行き特急「はまかぜ3号」は、新型ディーゼルカー。乗るのは初めてです。以前のキハ181のスタイルを踏襲しているようでもありますね。

平日の昼間でもあり、列車は空いていました。城崎温泉あたりへ向かうであろう賑やかな中高年の女性グループが目立ちました。神戸や明石から、ほんの2〜3人乗ってきた程度。これなら3両編成でも充分なのになぜか繁忙期対策の6両編成。しかし、これは姫路に到着して納得しました。

車内設備ですが、前の座席の背に備え付きのテーブル以外にも、サイドテーブルが取り出せて、中々便利です。
姫路から、かなりの乗車があって、3分の2程度の席が埋まりました。ここで列車の進行方向が逆になって、いよいよ播但線に乗り入れます。播但線といえば、古くは蒸気機関車C54やC57、ディーゼル機関車DD54といった車両が活躍したローカル線というイメージがあるのですが、いつの間にか途中まで電化されて、通勤電車103系が主力なのですね。それでもローカル色豊かな車窓が展開、市川という川に沿って走ります。

播但線のほぼ中間地点にあたる寺前が電化区間の終点で、その先は非電化区間です。「はまかぜ」がディーゼルカーなのも納得です。電化区間の終点ということで、何両も電車が休んでいました。

非電化区間に入ると、俄然あたりは山深くなり、列車はエンジン音を轟かせて進みます。市川流域も渓谷のような感じになってきました。
銀山で名高い生野に停車。この駅は、線路配置の関係で右側通行です。

出ると、すぐに生野トンネルに突入。その昔、機関士が窒息して大事故を起こしたことで知られるトンネルでしたが、何事もなく通過。天空の城で知られる竹田城付近を走り、姫路を出てほぼ1時間で播但線を完走、和田山で山陰本線に合流です。

駅構内には、荒れ放題のレンガ造りの機関庫がまだ残っていました。由緒ある建物ですから、きちんと整備して保存して欲しいものですね。C57やDD54がたむろしている写真を見たことがありました。そのころに来てみたかったなあ。
和田山から再び架線の下を走ること30分足らずで豊岡に到着。今回はここで下車です。

あいにく小雨模様となってきましたが、こうのとりで有名な地域の玄関口だけあって、こうのとりを思わせる建物やこうのとりのモニュメントが目立ちました。
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